YouTubeチャンネル「YouTube医療大学」が公開した動画で、総合診療専門医の舛森悠医師が、女性が経験する閉経前後の体の変化と、それに伴う病気リスクについて解説した。

冒頭では、舛森医師が診療した70代女性のケースを紹介。女性は60歳ごろまで健康だったが、転倒による骨折を機に胸の不調を訴え、最終的に狭心症(一般に心筋梗塞の前段階と位置づけられることがある)と診断されたという。背景に、閉経に伴う骨粗しょう症と高コレステロール血症が関係していた可能性に言及し、閉経後の変化を見過ごさない重要性を示した。

閉経は平均して約50歳で起こり、その前後5年間(45〜55歳)が「更年期」とされる。舛森医師は、「『更年』には『変更』『更新』の意味がある」として、「人生の折り返し地点で新たなステップに向かい、自分の健康を見つめ直す期間」と前向きに捉える考えを示した。

一般に更年期と聞くと、ほてり(ホットフラッシュ)、不眠、いらいら感、めまい、頭痛などを想起しやすい。これらは加齢に伴い女性ホルモン(エストロゲン)が低下し、脳が「もっとエストロゲンを出して」と指令を送ることで生じる自律神経の乱れと関連すると説明。日本国内では更年期症状による経済損失が「数十億円規模にのぼる」とする見方も紹介した。症状に悩む場合は婦人科の受診を勧めつつ、受診のハードルが高ければ、まずはかかりつけ医に相談する選択肢にも触れた。治療の選択肢として、ホルモン療法、漢方薬、プラセンタ注射などが挙げられたが、適応や可否は個々に異なるため、医療機関での判断が必要とした。

閉経後の体で起こりやすい主な変化と向き合い方

1.骨がもろくなる(骨粗しょう症)
閉経後の女性は骨がもろくなりやすく、60代女性は「5人に1人」、70代では「3人に1人」が骨粗しょう症を発症するとの説明があった。骨折は寝たきりの原因の「4位」とされ、軽視できないとした。

向き合い方
運動:骨に適度な刺激を与えることを推奨。「かかとを上げて落とす」「軽いスクワット」など、日常の合間にできる範囲で続ける姿勢を促した。
ビタミンD:カルシウム吸収に関わる栄養として、日光に当たる習慣(軽いジョギングや散歩)や、鮭、卵、きのこ類などの食品を挙げた。
検査:閉経後は、数年に1回の骨密度検査などスクリーニングを受け、早めに把握する重要性を述べた。

2.心筋梗塞・脳梗塞のリスク上昇
心筋梗塞や脳梗塞は男性に多い印象があるが、女性も閉経後にリスクが上昇し、70歳ごろには男女差が小さくなるとした。

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