「聞いてくださいよ。もう死にたいっすよ」。2023年の正月、東日本大震災の被災地で暮らす男性(40代)から突然の電話があった。聞けば、死にたいという直接の原因は、家族とのトラブルだという。男性とは2012年夏、取材していた仮設住宅で出会った。当時から心休まることがない、落ち着かない生活が続いていた男性に詳しく聞くため、震災から12年を迎える今年3月、宮城県気仙沼市に向かった(ライター・渋井哲也)。●大晦日に母