夏の甲子園ベンチ入り四人が残った東海大四の初戦

先制本塁打を放った山本浩平(東海大四)

　立ち上がり、一死二塁から3番山本 浩平(2年)の2ラン本塁打などで4点を先制した東海大四。2回にも四球でチャンスを作り、5番中島弘貴(2年)の2点タイムリー。3回には7番斎藤龍成(2年)が一発を放って、大きくリードを広げた。

　終わってみれば長打9本を含む16安打で12得点。投手陣もエースの大澤志意也(2年)を温存し、左腕の渡邉敦史(2年)から三投手の継投で4点に抑えて、7回コールドゲームで初戦を突破した。

　左打者七人を並べる東海大四打線に対し、中標津の藤田克己監督は背番号10の左腕・松本有馬(2年)を先発に立てたが、立ち上がりで東海大四のペースとなった。

　本塁打を放った山本は、｢相手投手(松本)の投球練習を見て、変化球が入っていなかった。入ったとしても低めなので、打っても意味がない。ベンチからも指示がありました｣と直球狙いという読みを明かす。狙い通りの直球で内角高めをジャストミート。手応えはバッチリ。これが公式戦で初の本塁打だった。

　そんな山本が本塁打のこと以上に笑顔を見せたのが、6回の5点に繋がるタイムリー二塁打を放った場面。　相手の中標津は3回からエースナンバーの花田稔希(2年)に代わり、まだ1点しか取れていなかった。4回に2点を返されていたため、流れは少しずつ中標津に向きかけていた中盤。1回と同じ1番からの攻撃で、同じように一死二塁の場面で廻ってきた山本は左中間へ二塁打を放った。｢自分は基本引っ張ってしまうので、逆方向へのバッティングを意識している｣という普段のスタイルが見事に発揮された。

　この二塁打を皮切りに、五連打と打線が繋がり、中標津の追い上げムードを完全に立ち切った。

　夏の甲子園でベンチ入りした2年生は四人。山本自身も外野守備でミスをした苦い経験がある。｢甲子園は雰囲気が北海道と全然違って圧倒されていた。練習から自分にプレッシャーをかけてやるようになった｣と新チームでの財産となっているようだ。

　全道大会決勝(12日)の翌日からは3年生が出場する国体が始まる。まずは後輩が全道チャンピオンになって、良い報告を届けたい。