投打に光る前田敬太（中部商）148球完投！美里工を退け11季振りの九州大会出場へ

投打の活躍が光った前田敬太（中部商）

　初回、一死一・三塁とした中部商は、併殺崩れの間に三塁走者がホームを踏み先制した。

　マウンドには、多和田 真三郎（富士大）らを育ててきた宮里豊コーチから助言を受けて覚醒し、大会初戦で16奪三振を記録した前田 敬太が上がるが、3、4、5回全てで二死三塁とピンチを背負う。

「守っている仲間を信じて投げようと言い聞かせました」（前田）と制球を意識してこれを凌ぐと、打席では二つの長打を記録。投打で光る活躍を見せる前田が試合を引っ張っていった。

　追加点が欲しい中部商は6回、二死三塁から7番知念琢朗が逆らわずレフト前へ流して貴重な1点を挙げると7回には二死二・三塁から4番根保飛翼がライト前へ運ぶなど、試合を決める3点を刻んだ。

　美里工もその裏、知花 樹と代打城間敏竹の連打で無死二・三塁のチャンスを作ると一死後、3回に二塁打を放っている久田真輝にタイムリーが飛び出すと、前田のワイルドピッチも絡んで2点を返したが、その後は前田が三塁を踏むことすら許さず148球の完投で、中部商が7年振り6度目となる決勝へ、そして11季振りとなる嬉しい九州大会出場を手に入れた。

（文＝當山 雅通）