コザvs興南
内間 敦也(コザ)
去った選手権沖縄大会で初戦敗退の屈辱を味わった興南は、そのメンバーでもあった城間楽人や佐久本一輝、喜納 朝規らが新チームを引っ張り、那覇北地区予選を5戦全勝で勝ち抜いてきた。
一方コザは昨年の新人中央大会で準優勝してからチームの基幹を、ほぼ現2年生たちで形作ってきた。既に140キロ越えをマークしており、現時点で沖縄ナンバーワンと言われる豪腕内間 敦也を興南打線がどう立ち向かうか？1回戦ながら最高峰の攻防が期待できるカードにふさわしい試合だった。
コザは3回、四球と犠打で一死二塁として4番崎原種人へ繋ぐ。カウント2−2となって、興南 城間の二塁牽制悪送球で三塁へ進むとコザベンチはまさかのスリーバントスクイズ！うまく興南野手陣の虚をついた先制のシーンだった。
コザはさらに4回、主将兼本陸の二塁打をきっかけにエラーと四球で無死満塁とチャンスを得る。ここで興南二番手の比屋根雅也が力んでしまいワイルドピッチで生還を許すが、その後は三振、セカンドゴロ（ホームアウト）ショートフライで最小限の失点で切り抜けた。
すると興南は5回裏、二死一・三塁として3番砂川謙斗がセンター前へ運び1点を返す。さらに一・三塁としてここでダブルスチールを敢行。一・二塁間で挟殺される間に三走が生還し一気に同点に追い付いた。
7回表、コザは川上貴一の三塁打でチャンスを掴むが、スクイズを狙うも失敗に終わり挟殺される。次の1点はどちらに入るのか？そんな実力派同士の見応えのある攻防は規定の9回では決着がつかず延長へと突入していった。
護得久侑莉(コザ)
コザは10回表、2本のヒットと四球で満塁とすると、田盛優也が犠飛を上げ１点。さらに護得久侑莉（ごえく・ゆうり）が右中間を突破する三塁打で2点を加えた。だがここで、コザには痛過ぎる出来事が起こってしまう。打席の内間はショートへの深い当たり。結果は内野安打（三走が還りこのイニングだけで４得点）となったのだが、駆け抜けの際足首を捻挫してしまい、担がれてベンチの奥へ運ばれた。
急遽マウンドへ上がることとなった勢理客 雄大に、今度は興南打線が襲いかかる。一死後から四球と砂川の二塁打で二・三塁とするとワイルドピッチでまず１点。二死となるが佐久本が意地のセンター前タイムリーで2点差とすると二者連続死球で満塁と強烈なプレッシャーを掛けたのだ。
ここでコザベンチは勢理客を諦めて仲吉重仁へスイッチ。緊張感あふれるマウンドになるのだろうという想像は見事に覆された。カウント2ー2として最後は渾身のストレートで空振りを奪い逃げ切りに成功。コザが昨年に続く2年連続のベスト8進出を果たしたが、どちらが勝ってもおかしくない白熱した好ゲームであった。
（文：當山 雅通)
