高砂南vs市立尼崎
先攻の高砂南は、いきなり先制パンチを喰らわせる。2番の上野がレフト線へ二塁打を放つと、3番の古山はエンドランを試みる。内野ゴロとなったが、二走は三塁に進み、打席には4番大前。ここは市立尼崎の先発蔵下の前に、三振に倒れた。
続く、2回表、背番号16の5番山田がライトオーバーの三塁打、6番柳瀬がセンター前に運んで、先制に成功する。さらに5回、一死から8番中谷が一、二塁間を抜く安打で出ると、9番の西が送って、二死二塁として1番の岩本が打席に入った。岩本のライト前へ弾き返すと、二走の中谷は本塁へ生還して2点目。2番の上野が内野ゴロになり、3点目は入らなかったが、岩本は二盗、三盗を決めて、高砂南は攻めの姿勢を崩さない。
一方、市立尼崎は得点圏に走者を送り込むも、もう1本が出ず、本塁を踏めない。しかし、6回裏、3番の中村が敵失で出ると、5番の的場がレフト前にころがして、一死一、二塁とした。6番の大西がライトフライに倒れた後、7番の福留の放った打球は、ライトへ転がり、まず1点。ここから8番五十嵐のレフト前ヒットで2点目。さらに、二死満塁で1番松田の打球はショートゴロ。これが、野選となり、市立尼崎が逆転に成功する。
続く、7回には、中村を一塁に置いて、打席にはプロ注目の4番梶。これまでの3打席は四球ひとつと凡退だった主砲は、ライトへ強烈なライナーを放ち、チャンスを広げる。福留の四球で、二死満塁として五十嵐が三遊間を抜いて、1点を追加して、チームは勢いに乗った。8回表の守備でも、一死から四球で出た上野の二盗を刺し、古山のヒット性のライナーを、レフトが飛び込んで好捕して、雰囲気はますます盛り上がる。
しかし、高砂南が反攻する。9回、大前がレフトへの二塁打が口火を切ると、山田、代打の鎌谷の連打と、増田のセーフティなど打者6人が連続して出塁して、5点を入れて試合をひっくり返したのである。
9回裏、3点差を追う市立尼崎は、一死6番の大西がレフトの頭を越える二塁打で出塁すると、8番の五十嵐は、レフトへ2ランホームランを放ち1点差に詰め寄る。
しかし、長井がレフトフライに倒れ、試合終了。シード校の市立尼崎の夏は、たったの1試合で終わってしまった。
