意外と間違って使っている、体の一部が入ったフレーズ1位「怒り心頭に達する(○怒り心頭に発する)」

写真拡大

「頭が上がらない」「腹を立てる」といった、体の一部を使った表現はたくさんありますよね。状況や心情を表すときにとても便利ですが、中には間違った言い方が浸透してしまっているものも。そこで今回は読者387名に、意外と間違って使っている、体の一部が入ったフレーズを聞きました。

Q.意外と間違って使っている、体の一部が入ったフレーズを教えてください(複数回答)
1位 怒り心頭に達する(○怒り心頭に発する) 31.0%
2位 足元をすくう(○足をすくう) 29.7%
3位 体調を壊す(○体調を崩す) 25.3%
4位 口数が減らない(○口が減らない) 22.0%
5位 面目が立たない(○面目がない) 18.4%

■怒り心頭に達する(○怒り心頭に発する)
・「間違っても案外通じてしまう」(34歳男性/金属・鉄鋼・化学)
・「『心頭』という場所まで到達するのかと思っていた」(31歳男性/学校・教育関連/専門職)
・「『怒り心頭』だけで通じてしまうので、その先が『発する』でも『達する』でも気にならない」(25歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)

■足元をすくう(○足をすくう)
・「『足元をすくわれる』も語感がいいので、どっちが正しかったかわからなくなります」(24歳女性/不動産/事務系専門職)
・「足元すくっても意味がない」(34歳男性/小売店/販売職・サービス系)
・「自慢気に言っている人を見たことがある」(27歳女性/食品・飲料/事務系専門職)

■体調を壊す(○体調を崩す)
・「『体調を壊してしまい……』とメールしてしまった気がする」(31歳女性/マスコミ・広告/事務系専門職)
・「たまに使ってしまっている気がするけれど、正しくは『体調を壊す』ではなく『体を壊す』になるのか」(22歳女性/小売店/事務系専門職)
・「体を壊すという方が、響きが良さそうに感じる」(38歳男性/人材派遣・人材紹介/営業職)

■口数が減らない(○口が減らない)
・「友達に言って笑われた……」(24歳女性/医薬品・化粧品/技術職)
・「頻繁には使わないので、いざ使うときわからなくなる」(30歳女性/情報・IT/クリエイティブ職)
・「間違えておぼえている。TVでも間違っているからだよね」(46歳男性/電力・ガス・石油/技術職)

■面目が立たない(○面目がない)
・「結構、使っている人が多い」(31歳男性/商社・卸/営業職)
・「よく使っているから恥ずかしい」(31歳男性/金融・証券/専門職)
・「違和感なく、間違えて使っていた」(27歳女性/ソフトウェア/技術職)

■番外編:言われても、間違いだと気づかないかも……?
・厚顔無知(○厚顔無恥)「知らないってことだと思っていた」(29歳男性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・鼻にもかけない(○歯牙にもかけない、洟も引っかけない)「後輩がいつも間違えている」(26歳女性/金融・証券/営業職)
・念頭に入れる(○念頭に置く)「わからずに聞き流してしまいそう」(31歳女性/食品・飲料/事務系専門職)

●総評
1位は「怒り心頭に達する」でした。これは間違った言い方で、正しくは「怒り心頭に発する」で、心の底から激しく怒る、といった意味ですね。「心頭」は、「心と頭」ではなく、単に「心」を意味するとのこと。心から怒りがこみ上げてくる様子をイメージすると、覚えやすいかも。

2位は「足元をすくう」。正しくは「足をすくう」で、相手のスキをついて、失敗させるといった意味の言葉ですね。「足元」と言う人がとても多いですから、間違って覚えてしまうのも無理はありません。

3位には「体調を壊す」がランクイン。これは「体調を崩す」が正解。辞書をひいてみると「崩す」は「整っていたものを乱す」とあります。一方の「壊す」は「ダメにする」や「使えなくする」という意味。一度体調が悪くなっても、回復すればまた「整った」状態に戻すことができると考えれば、やはり「崩す」が適切ですね。

番外編では、「鼻にもかけない」という回答も。「歯牙にもかけない」や「鼻にかける」などと混同してしまう人が多いようですね。日本語には、このようなややこしい面もありますが、そこがまた魅力とも言えるでしょう。

できれば、たくさんの言葉を正しく覚えて、しゃれた言い回しができる大人になりたいものです。

(文・OFFICE-SANGA 森川ほしの)

調査時期:2014年5月15日〜2014年5月21日
調査対象:マイナビウーマン読者
調査数:男性127名、女性260名
調査方法:インターネットログイン式アンケート