台湾“国宝級”音楽家の李泰祥氏死去

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(台北 3日 中央社)1970年代の台湾のフォークソング「橄欖樹」(オリーブの木)、「告別」(別れ)などで有名な作曲家の李泰祥(リー・タイシャン)氏が2日夜、入院中の新北市内の病院で死去した。享年72歳だった。長年、幅広い分野で台湾の音楽に貢献し、2008年に第12回国家文芸奨、2013年には第32回行政院文化奨を受賞している。

李氏は台東出身のアミ族で1941年生れ。日本人教師にバイオリンの手ほどきを受けたと言われ、1956年に芸術専門学校に入学、のちクラシック音楽の道に進む。1970年代に入って創作活動の幅を大きく広げ、クラシック歌曲からポップスや当時若者に人気だったフォークソング(校園民歌)へ、さらに台湾民謡・客家民謡の編曲、原住民歌謡、映画音楽やドラマのテーマ曲、コマーシャル音楽まで手がけた。その他、室内楽、交響楽、舞台音楽、前衛音楽など各分野で活躍を続け、ドイツ、アメリカ、日本などにも招かれ研究や発表を行っている。

李氏が手がけた台湾ポップスのうち最も親しまれている曲の1つが台湾の作家・三毛(サンマオ)の作詞によるフォークソングの名曲、「橄欖樹」。歌手・斉豫(チー・ユー)が1979年にアルバムを出し、その優しいメロディーが台湾のみならず中華圏全体を風靡した。

李氏はその後1988年にパーキンソン病を患っていることがわかり、以来、25年間の闘病生活の中でも創作に打ち込み続けた。去年4月の文化奨授賞式では車いすで会場に姿を見せ、許景淳、唐暁詩、殷正洋、李建復、潘越雲らベテラン歌手らが勢ぞろいし黄韻玲(ケイ・ホァン)のピアノ伴奏で「橄欖樹」と「一條日光大道」を歌うのにあわせ、李氏は両手を振りかざし指揮を取った。

馬英九総統は3日、李氏の家族に電話で哀悼の意を表したほか、インターネット上でも、李氏は出身や世代を越えた音楽の創作に取り組み、後輩の指導や公益活動にまで力を尽くす“国宝級”の音楽家だったとしてその功績を称えしのんだ。また、龍応台文化部長も取材に対し、数カ月前見舞いに行った際の様子に触れ、口のきけなくなった李氏はなおも創作に意欲を燃やしているようだったと惜しんでいた。

(編集:谷口一康)