レーシングチーム「ヱヴァンゲリヲンレーシング」の皆さんが、日本刀を構える

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子どもの頃、よく“ごっこ遊び”で楽しみませんでしたか? 私の世代なら“サンバルカンごっこ”とか“宇宙刑事ギャバンごっこ”に熱中していて。もしかして、女子だったら“セーラームーンごっこ”に励んでいたかもしれない。
その時、どうしてました? いや、武器についてですよ。あの時、私はソードを木の枝とかで代用していました。銃辺りになると、持ってるフリで誤魔化すことも。それはそれで楽しかったのですが。

しかし、本物ができました! いや、まんまそのものではなく。作中の武器が、本物の日本刀になったらしい。11月22日〜12月23日、上野の森美術館にて開催されている「ヱヴァンゲリヲンと日本刀展」では、劇中に登場した武器を再現、もしくはキャラクターからイメージした現代デザインの日本刀を製作、展示しているそうです。
こりゃ、興味深い。ちょっくら、私も観に行ってきます!

さて、館内に入ると、そこはもう完全に本気モード。刃先の輝きっぷりは、片手間で成し遂げられるクオリティでは断じて無く。
中でも、見ものは全長332センチの「ロンギヌスの槍」でしょうか。劇中では全長数十メートルとヱヴァンゲリヲンの身長よりも長いサイズなのですが、今回製作された「ロンギヌスの槍」も人間の身長の二倍近くのという大きさに。
しかも、この槍が元ある工房におさまりきらなかったため、工房そのものを作り直した……というエピソードもあるらしい。その甲斐あって、作中での存在感がそのまま表現されました。

続いては、『エヴァンゲリオンANIMA』に登場する「マゴロクソード」に注目。劇中では実在する「孫六」という刀を分析・解析し、そのデータを元に作られたと設定されているこの武器、同展では逆に「再び現実の日本刀に引き戻す」というコンセプトで製作されています。
それにしても、カラーが鮮やかだ。初号機のパーソナルカラーである青紫色を美しく発色させるため、通常の漆ではなくカシューナッツの殻を原材料にした塗料で塗られているそうです。

続いては、またしても『エヴァンゲリオンANIMA』に登場する「カウンターソード」。これ、日本刀のセオリーから大きく離れざるをえないです。あえて日本刀に例えるとすれば「脇指」に近いそうで、拵のデザインは作中のカウンターソードを忠実に再現しております。

「ビゼンオサフネ」は、日本刀の分類に当てはめると両手持ち専用の長大な「大太刀」にあたる武器。太刀の標準である全長75センチ以上を軽く超える全長144.2センチという長大な刀身ゆえ、製作は困難を極めたそう。しかも、作中のデザインに沿って製作されています。なるほど、“近未来の兵器”と“日本の伝統文化”の融合と言える一作だな……。

「プログレッシブナイフ剣型<角>」は、エヴァンゲリオン2号機の両肩に装備されたナイフ。作中に忠実な形状で、人間が手に持ったとき、ちょうど劇中でヱヴァンゲリヲンが使用した姿と同じように見えるサイズで作られています。

そして、こちらがスペシャル。ヱヴァンゲリヲン2号機両肩に装備されるプログレッシブナイフ、劇中では前述の「プログレッシブナイフ剣型<角>」デザインで登場していますが、山下いくと氏による設定画にはもう一種類、丸みを帯びたシルエットの設定画が存在するそう。それを実物化した「プログレッシブナイフ<丸>」が、要チェックです。鋭い形状の<角>に対し<丸>の形はふっくらとしており、その辺りの差異を見比べるのも面白いですよ!

そんな「ヱヴァンゲリヲンと日本刀展」には渚カヲルや綾波レイといったキャラクターをイメージして製作された日本刀も展示されており、その本気度に圧倒されてしまう。
……が、まだ終わらない。山下いくと氏が同展のために描き下ろしたオリジナルの刀剣類を刀匠・宮入小 左衛門行平氏が製作するというプロジェクトも始動しており、完成は2014年11月を予定しているとのこと。
また新たな“近未来の兵器”と“日本の伝統文化”の融合を目にする機会が訪れそうですよ!
(寺西ジャジューカ)