何万人もの肌を診察してきた皮膚科医がたどりついた、女性たちへの究極のメッセージ。それを強いタッチでつづる、美しくなりたい人の必読書です。

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「洗顔後は、乾燥を防ぐために、とにかく大急ぎで化粧水をたたきこむ」
「ときにはたっぷり化粧水をふくませたコットンでパックする」
「高級化粧水よりも、安くても良いから、とにかく化粧水はたっぷりたっぷり使う」

私たちの化粧水への信頼度・依存度は非常に高く、「美肌の基本=化粧水」と思っている人も多いのではないだろうか。

ところが、こんな衝撃的なタイトルの本を見つけた。
『美人に化粧水はいらない』(講談社)。

「化粧水はいらない」ってどういうこと? 
著者であり、よしき皮膚科クリニック銀座院長の吉木伸子先生に聞いた。
「スキンケアで一番大切なのは化粧水だと信じている人が大半です。でも、皮膚科学の見地からすると、これは間違い。むしろ化粧水はなくても十分なケアが完成します」

実際、これまで何万人もの肌を診察してきた吉木先生だが、受診する患者さんにも、とにかく「化粧水をつける」と言い出す人は非常に多いそう。
「花粉症で肌が荒れたとき、日焼けで肌がヒリヒリしているとき、唇が荒れたときにまで、とにかく何でも『化粧水つけていいですか』『化粧水でもつけとけばいいですかね』などとおっしゃる方が多いのです。『なぜそこで、真っ先に化粧水?』と思ってしまいますが、それほどまでに化粧水は女心をしっかりとらえているんでしょうね」

実は、化粧水は万能の水というわけではなく、「肌荒れや日焼けしているときなど、皮膚に異常がある場合には、使わないほうが良いそうだ。

では、ここで、本書の中で説かれている意外な事実をいくつか取り上げてみたい。

●「化粧水をたっぷりとつける」→何度も重ねづけしたりすることは、実は有害。肌表面の角層は20〜30%の水分を含んでおり、化粧水をつけると、化粧水の水がこの肌の水とまじりあっていき、時間がたつと蒸発していくのだが、その際に肌の水分を奪ってしまうから。
●「化粧水は手が吸収してしまうので、コットンでつけるほうがよい」→どう見てもコットンのほうが吸収している。また、コットンはぬれると硬くなるのに対し、手は弾力があるので、手のほうが肌に負担をかけない。
●「洗顔後、間髪入れずに化粧水をつけるべき」→洗顔後は肌がうるおったように見えるが、実は水道水で多少ふやけているだけで、本当の肌のうるおいではない。水道水でふやけたところにさらに化粧水をたたきこむと、一時的に肌の水分量は上がるが、セラミドなどのうるおいをキープする成分が十分になければその水分は蒸発してしまう。

以上は、本書の内容のごく一部だが、これまで思い込んでいた「常識」が間違いであることがいかに多いか、痛感させられる。
他にも「肌に本当に必要な成分」「正しい洗顔の仕方」「正しい美容液のつけ方」などの情報が満載。

スキンケアの固定観念を覆す衝撃的な本、ぜひチェックしてみては?
(田幸和歌子)