やさしい２４ 第９話【芸術家・筒井はじめ】
齢を重ねるととかく忘れてくる闘争心、
というより諍いを避ける傾向が出る。
若い頃は
「おしっ」
「まっいいじゃん、やってみよぉー」
心理学でいう若さゆえのリスキーシフト、
齢を重ねると、
「もうあまりムリすることないよな」
「ちょっと目をつぶってあげればいいんだから」
「今さらどうしようもないよ」
こんなセフティシフトが働く。
あいつの激しい闘争意欲を目の当たりにして
俺にもそんな時代があったかなーと
懐かしくもあり、
なんとか手を差し伸べる方法があるのかなと自問自答してみたり。
そして、やさしい２４は自分で作ったルールと愛し合いました。
１つだけ。極めて１ネタだけ、誤魔化していることがある。
今日は６月１４日、今から手紙で告白しよう。
どうも思われたくないぜ！触らないでくれ！っていう感覚が、
いつのまにかトロリとして、否定されたら立ち直れないぜ（涙）だぜ。
完璧に甘えだろこれ、こ、こ、これが甘えなのかぁぁ！！！！
いいねぇいえーい
だけど社会の窓を一歩飛び出しゃ魔人だぜ、
あんたが悪魔なら、悪魔を誤魔化す魔人だぜ、ブービーブービー
ピンポーン。
「おや、誰だろう？」
僕は忍び足で玄関に向かい、小声で「どなたですか・・・」そう聞いた。
「織田信長じゃ」
じゃ？じゃ？
じゃじゃねぇよ、です。が織田信長には似合うべ。
僕は速攻、織田信長をアトリエに入れ全裸にし説教をした。
印象を気にしろよ、印象次第で道筋が変わるんだぞ！
次の瞬間、シュパシュパっと何かが飛んできて、僕の頭に当たって落ちた。
それで僕は流血した。飛んできたのは薬ビン、ルルと書いてある。
ふと振り向くと、やさしい２４が投球ホームにはいっていた。
「印象操作してる暇があったら実力あげろよぉぉぉ」
と叫び、ルルと書いてある薬ビンをなげてきた。
僕はそれをキャッチして、流れる血を薬ビンで採取し織田信長を描いた。
厳密に言う、織田信長の絵画内に深紅の花を描いた。
筒井はじめ（Tsutsui Hajime)芸術家。東京都出身。小学生の時からアート活動を開始。賞歴は６歳から始まる。手掛けるデザインはファッション界も強く結びつき、早乙女太一の着物をはじめ、数多くの女優の衣装を担当する。各界から注目されはじめ、2013年4月ロイヤルミュージアム上野の森美術館で個展を開催した。日本お地蔵さまを守る会の臨時副会長。
FaceBookアカウント：筒井はじめ
■関連記事
やさしい２４ 第１話
やさしい２４ 第２話
やさしい２４ 第３話
やさしい２４ 第４話
やさしい２４ 第５話
やさしい２４ 第６話
やさしい２４ 第７話
やさしい２４ 第８話
