「北斗の拳」「花の慶次」で知られる漫画家・原哲夫氏による
信長伝「いくさの子」に登場するイケメン風信長がイメージキャラクター。
この絵に見守られつつ、「湯漬け」など信長グルメが楽しめる。
茶の湯を好んだ信長のために毎日、絵の前に献茶をしているそう

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「人間五十年  下天の内をくらぶれば 夢幻のごとくなり……」とは、信長が愛したことで知られる言葉。「敦盛」という舞曲目の一節で、戦の出陣前など華麗に舞う信長の姿をドラマなどで観て、印象に残っているという人も多いのでは? 信長らしい、美しくも刹那的な感じがする言葉だが、どういった心境で舞っていたのだろうか……。と、そんなことを考えてしまったのは、京都・元本能寺跡地にできた新スポット、「信長茶寮」に行ってきたから。

明智光秀が信長を討った「本能寺の変」は431年前、天正10年6月2日、西暦でいうと1582年6月21日に起こったとされる。その最期の場所がここだったのか、と思うと感慨深い。以前、ここには呉服屋さんの社員寮があり、小さな石碑が立っているだけの場所だったのが、お参りもできる聖地(!?)として生まれ変わったのだとか。スタッフによれば、オープンが命日の6月2日で、6月21日は全国から信長ファンが集い、大盛況だったのだそうで……。

現在、「コミックゼノン」で連載中の原哲夫氏による信長伝「いくさの子」に登場するイケメン風信長がイメージキャラクターとなっており、AR技術によって館内のいたるところで原哲夫氏描く信長に会えるという仕掛けも!(織田家の家紋が目印)。カフェ&バーあり、料亭あり、イベントスペースあり、個室ありの複合施設なのでいろんな楽しみ方ができるのだが、何はさておき、到着したら直行したいのは地下1階にある信長慰霊碑。


ド迫力の龍の墨絵下に、信長が自分の身代わりにしたという「盆山」に見立てた石が祀られ、本能寺付近で発掘された焦土(信長と一緒に焼け落ちた土??)と共に信長を偲ぶことができる。水盤にお賽銭を投げるだけでなく、願いごとを書けるオリジナル絵馬、水盤に浮かべることができるロウソクなども用意されており、思わずテンション上がります。

お参りを済ませたら、そのまま地階にあるカウンターでお茶とスイーツをいただくも良し、夜ならお酒を飲むも良し、2階食事処で信長が愛したという「湯漬け」や、鴨肉を使った「信長カレー」(ランチタイムのみ)、本格的な京料理を味わうも良し。館内には千利休も好んだという名水、“柳の水”なる湧き水が出る井戸まであり、マイボトルを持参すればおみやげとして持ち帰ることも可能だ。この水は、湯漬けなどの料理にも活用されているという。

ちなみに、映画やTVドラマでも信長はいろんな俳優さんが演じているけれど、個人的に印象に残っているのは、NHK大河ドラマ「功名が辻」で館ひろしさんが演じていた信長かも……。そんな信長談義を、お酒を飲みながらスタッフと交わすのも楽しそう(ちなみに、B1のバーには日本酒をベースにした「蘭丸」なる、オリジナルカクテルがありなんとも気になる……)。京都はもうすぐ祇園祭。蒸し暑いけれど風情ある京都の夏、本能寺跡に出掛けてみてはいかがだろう?
(まめこ)