鮨懐石の料理例と2代目・今田洋輔さん。家にすし職人が来てくれて、目の前で一流のすしを握ってくれる光景は、非日常的なサプライズ感に溢れている。

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「銀座の一流すし店が、ホームパーティーに来てくれる!」といえば、そんなぜいたくは一部のセレブの話と思うかもしれない。だが意外にも、もっと身近なサービスなのだ。

それを実現してくれるのが江戸前鮨すしと鮨懐石の「銀座 久兵衛」。1935年創業の銀座の老舗であり、美食家として知られる芸術家の北大路魯山人(ろさんじん)、吉田茂や池田勇人など歴代首相にも愛されてきた名店だ。それだけに、店は“銀座”を感じさせる格調高いたたずまいだが、決して「高級すぎて、入りにくい」といったわけではない。「店がお客さまを選ぶのではなく、お客さまが店を選ぶのだ」という店主・今田洋輔さんの主義のもと、“開かれた、親しみある店”といった側面もある。

「出張サービス」があるのも、「敷居が高いという感じを取り除きたい」という同店の思いが感じられるところだが、じつはこれ、なんと戦前からあったサービスなのだ。ただ従来は、固定客やホテルで開かれるパーティーなどでの利用が中心だった。それが雑誌やインターネットで紹介され始めた10年前くらいから、店を訪れたことのない人からも問い合わせがあり、一般の利用が増えてきた。最近では、子供を持つママ友同士のちょっとした会食に利用されることも珍しくないという。

気になるお値段はといえば、たとえば往復の移動時間なども含め4時間以内ですむ東京23区内で、1万5,750円の鮨懐石を8人で楽しむ場合、料理が12万6,000円、サービス料(15%)が1万8,900円、人件費が2万1,000円×2人で4万2,000円、運搬設営費(交通費など)が3万1,500円、合計21万8,400円。1人あたり2万7,300円見当というわけだ。

料理については合計12万6,000円以上となればいいので、たとえば5,250円の料理を24人で楽しむといった形でもかまわない。ただし人数が増えれば増えるほど、人件費や運搬設営費も増える可能性が出てくる。対応できる地域は東京に限られるわけではなく、全国どころか海外での実績も多い。しかし当然ながら、運搬設営費は相応の金額が必要となる。

「もし、お子さんが多い集まりなら、喜んでもらえるような演出も考えます!」という銀座 久兵衛の出張サービス。AKB48など数々の芸能人や有名人も楽しんできた、引っ張りだこのサービスを、一度、経験してみてはいかがだろうか。

(小澤啓司=文 銀座 久兵衛=写真提供)