知ったら笑う関取の異名
秀でた成績を残したり、個性が光ったりしている人には「異名」が付きます。大相撲で活躍した力士の「異名」をご存じでしょうか? 力士の異名には面白いものが多いのでご紹介します。
●おしん横綱
「隆の里」
隆の里関は大変な苦労人でした。糖尿病を克服して横綱にまで昇進したので、この異名があります。この異名はちょっと気の毒ではないか、と思わないでもないですが……。
●ウルフ
「千代の富士」
言わずと知れた大横綱。53連勝、通算1,045勝、幕内勝利数807勝、幕内優勝31回という素晴らしい偉業を成し遂げています。九重親方が、ちゃんこ番をしていた(当時の)千代の富士関を見て「狼みたいだな」と言ったのが由来とか。
●スコップ
「大内山」
昭和19年に初土俵を踏んだ力士で、最高位は大関でした。203cm、153kgという巨漢で、その「スコップ」という異名は、あまりに大きな手のひらから付けられたとのことです。
●角界の松平健
「旭豊」
最高位は小結。イケメンです。その男前っぷりから「角界の松平健」という異名が付きました。松平健の当たり役から、「角界の暴れん坊将軍」と呼ばれたことも。引退時の断髪式には、松平健さんが来たそうです。
●アラン・ドロン
「霧島」
最高位は大関で、現在は陸奥親方。甘い顔立ちのイケメンなので、大相撲パリ公演の際に「角界のアラン・ドロン」と紹介されました。また、科学的なトレーニング、サプリメントの補給などで筋力を高めて成績を伸ばしたため「角界のヘラクレス」という異名も取りました。
●ドラえもん
「隆三杉」
最高位は小結で、現在は年寄・常盤山。丸っこい体と愛きょうのある笑顔のため「ドラえもん」と呼ばれました。焼き肉を75人前食べたという伝説があります。
●ロボコップ
「高見盛」
2013年1月に惜しまれながら引退しました。そのロボっぽい動作から「ロボコップ」と呼ばれるそうで、略して「ロボ」という呼称も。
●土俵のアクロバット
「貴ノ花」(初代)
現・貴乃花親方のお父さん。関取ながら細身のボディーに甘いマスクで、大人気の力士でした。最高位は大関。その風ぼうから「角界のプリンス」とも呼ばれました。見事な逆転技を決めるので「土俵のアクロバット」という異名を取ったのです。
●毛ガニ
「朝潮」(三代目)
昭和23年に初土俵を踏んで、最高位は横綱。1959年(昭和34年)には『少年マガジン』の表紙になるほど人気がありました。まゆ毛も太く、胸毛ふさふさだったため「毛ガニ」と異名を取ったそうです。
●ダンプトラック
「小錦」
ハワイ州オアフ島出身で、最高位は大関。身長187cm、体重275kgの巨漢で有名です。大相撲のイギリス公演の際には、その巨漢ぶりから「ダンプトラック」という異名で紹介されました。これ、ひどくないですかね。
●桜色の音楽
「照國」
1935年に初土俵を踏んで、最高位は横綱。色白の体が徐々に桜色に染まっていくところ、またその取り口がリズミカルだっところから「桜色の音楽」と異名を取ったそうです。なかなか詩的です。
●南海の黒豹(くろひょう)
「若嶋津」
1975年に初土俵を踏んで、最高位は大関。現在は年寄・松ヶ根。鹿児島県出身で精悍(せいかん)な顔立ちをしていたので、一名を「南海の黒豹」。ちなみに「黒豹」というのは、そういう種類の豹がいるわけではありません。劣性遺伝によって、普通の豹に交じって、黒色の豹が生まれるんだそうです。
どうでしょうか。相撲は日本の国技です。歴史をさかのぼると神代にまで至ります。ほかにも「異人」「秋田犬」「エチオピア」「大風呂敷」など、褒めているんでしょうか? というような異名を取った力士もいたそうです(笑)。
(高橋モータース@dcp)