――W杯出場に向け、着々と準備を進めているわけですね。

【ジーコ】いずれにしても、今のイラク代表には30歳前後の経験豊富な選手が10人以上いる。彼らは今回のW杯予選が最後のチャンスだと思っている。僕自身も母国ブラジルで行なわれるW杯に出場したいという強い気持ちがあるよ。

――最後に、最終予選の展望を聞かせてください。ズバリ、日本代表は勝ち抜けるでしょうか?

【ジーコ】現在、アジアは世界で最も各国の力が拮抗している。オーストラリアが加わり、それまでW杯本大会の常連だったサウジアラビアが出られなくなった。といって、サウジがものすごく弱くなったというわけではない。前回の南アフリカW杯には北朝鮮が出たし、どこが本大会に出ても驚きはないんだ。最終予選のB組のカギになるのはヨルダンとオマーン。日本とオーストラリアはこの2ヵ国からの勝ち点を計算しているだろう。ただ、A組に入った同じ中東のレバノンとカタールに比べると、ヨルダンとオマーンは強い。この両国をナメていたら痛い目に遭うだろう。もちろん、僕としては、イラクと日本が出場権を勝ち取ればいいと思っているよ。

(取材・文・撮影/田崎健太)

●ジーコ
1953年生まれ。日本代表を率いていた4年間(2002年7月から06年6月)の通算成績は72試合37勝16分19敗。06年ドイツW杯後は欧州やアジア各国クラブの監督を歴任し、11年8月からイラク代表監督に。86年メキシコW杯以来となる同国史上2度目の本大会出場を目指している。

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