ピアニストのピエール=ロラン・エマールと、調律師のシュテファン・クニュップファーが一つの音を築くまでの姿に感動/[c] OVAL Filmemacher / WILDart FILM

写真拡大

ピアノ調律師といえば、音のずれたピアノをチューニングし直す職人だ。だが、それだけではない。世界的に活躍する調律師ともなれば、音のニュアンスやピアノを弾く際の感触に至るまで、自在にコントロールする力量を備えており、ピアニストを陰で支えるもう一人のアーティストと言っても過言ではないのだ。そんな超一流のピアノ調律師の仕事に迫ったドキュメンタリー『ピアノマニア』が1月21日(土)より公開される。

【写真】調律師はピアニストの無理難題を職人としての意地とプライドで次々と解決していく

本作に登場するのは、老舗ピアノメーカー「スタインウェイ・アンド・サンズ」を代表するドイツ人調律師のシュテファン・クニュップファー。世界の名だたるピアニストたちから厚い信頼を寄せられる彼が、フランスのピアニスト、ピエール=ロラン・エマールの調律を担当した一年間を追った本作は、完璧な響きを求める演奏家と調律師の息詰まる駆け引きを映し出したドキュメンタリーになっている。

ピアニストが他の楽器の演奏家と大きく異なるのは、弾き慣れた楽器を持ち歩くことができないという点だ。そのため、演奏する先々にあるピアノをイメージ通りの音に仕上げるべく、彼らは調律師に対して、非常に抽象的で、時には矛盾するような要求をぶつけることになる。そのような要求を瞬時に理解し、即座に音に反映させられるかが調律師の力量と言えるのだが、クニュップファーはこれを見事に実現していく。彼の仕事ぶりは本当にクリエイティヴで、感嘆せずにはいられないだろう。

素晴らしい演奏に出会った時、つい私たちは演奏家の技量や表現力ばかりに注目してしまう。だが、本作を見れば、そこには調律師たちの細やかな仕事が大きく影響していることがおわかりいただけるはずだ。アルフレート・ブレンデルやラン・ランなど、著名なピアニストとクニュップファーとの調律のやりとりも数多く収録された『ピアノマニア』。クラシック好きに限らず、全ての音楽ファンにおすすめしたい作品だ。【トライワークス】

【関連記事】
リュック・ベッソン、フランス映画祭で来日。自国の原発を危惧 (MovieWalker)
レディー・ガガ、ファンサービスが高じて警察沙汰に (MovieWalker)
パーシー・アドロン監督「マーラーとアルマ、ふたりの愛と葛藤を感じ取ってほしい」 (MovieWalker)
『ザ・ライト』のアンソニー・ホプキンス「役を演じるのに何も難しいことはない」 (MovieWalker)
まるで昼ドラ!? 天才ショパンが15歳年上の熟女とドロドロ恋愛 (MovieWalker)