フレデリック・ユングベリの名は、アフシン・ゴトビ監督がアメリカに居た頃のコネクションから情報が入ってきたという。クラブとしては、本来の目的(CFの獲得)とは違ったが、様々な観点から再度検討をした。その結果、獲得へと踏み切ったのだ。

既に報道されたように、「東日本大震災で被害にあった日本を元気つけたい」(ユングベリ)という本人の強い希望もあったが、クラブとしてもJリーグにビックネームが加入することで、日本サッカー界全体の盛り上がりを作ることができればと考えたのだった。

■ゴトビ監督のコネクションが大きく影響した

奇しくもどちらのケースも、アフシン・ゴトビ監督の持つ国際的なコネクションが大きく影響している。この点に関しては、この指揮官の最大のストロングポイントだと思われる。また、理想とするサッカーが多くの有名選手にとって魅力的に映っている点も評価できる。そして、なによりも良い買い物をしたのは間違いない。その意味では、できる限りのコネクションを使った緊急補強は、他クラブには真似のできないものだったかもしれない。

しかし、私はこの補強による一番の目的は別にあると思う。
原強化部長が言う。「彼らの加入が、チームに刺激を与えることになれば」と。これが今回の緊急補強の真の目的ではないかと思う。

特に、ユングベリの契約期間は1年半である。世界的に有名な選手ではあるが、年齢は既に34才を迎えた。チームの将来を考えた場合、クラブの未来を背負って立つには少々難しい。しかし、超一流のクラブで活躍してきたユングベリの加入によってもたらされるものは多いと思われる。第一に、所属している若い選手たちが彼の加入により奮起することが期待される。更に、一緒に生活練習することで、超大物外国人の一挙手一投足を間近で見て、習い、感化され、更なる成長に繋がること。その結果、現在所属する選手たちの中から将来的にチームを背負って立てる人材に育って欲しいという願いが込められている。

そうした様々な想いや、思惑が重なってのビックネームの獲得となったのだ。

■著者プロフィール
飯竹友彦
1973年生まれ。平塚市出身。出版社勤務を経てフリーの編集者・ライターに。同時に牛木素吉郎氏の下でサッカーライターとしての勉強を始め、地元平塚でオラが街のクラブチームの取材を始める。以後、神奈川県サッカー協会の広報誌制作にかかわったのをきっかけに取材の幅を広げ、カテゴリーを超えた取材を行っている。現在は「EL GOLAZO」で清水エスパルスの担当ライターとして活動中。


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