4年間でやってきたことを全部捨てたわけだから。

逆に、あれが答えだとしたら、今後あれを貫くってことでいいのかな?
W杯が4年に1度で、サッカーという競技はW杯しかないのならそれでも
いいかもしれないけど、実際はそうじゃないじゃん。

もし、あれが日本のサッカーの答えだと宣言して、
つまり、2014年に向けて今回の大会のスタイルを追求すると宣言して、
親善試合やキリンカップ、あるいはアジアでの戦いでも
毎試合あれを続けていって、サポーターが増えると思うかな。
サッカーという世界の底辺が広がるかな。少年が夢を抱くかな。

「勝負なんだから結果が全て」って、言うのは簡単なんだけど、
今回のW杯で見せた戦い方を、今後、代表戦の度にやっていって
本当にみんなは満足するのだろうか。


違うよね。


今回のスタイルを親善試合の度に披露するようになったら、ブログや掲示板、
twitterで毎回大ブーイングが起こるのが目に見えるもん(笑)。
「4年後のW杯で勝つためです」といわれても、なかなか納得しないと思うよ。

それが、W杯だけがサッカーじゃないってこと、でしょ?

W杯は代表が目指す目標地点であることは本当に間違いないんだけど、
でもやっぱり、日々の積み重ね全てがサッカーだから。
キリンカップだって、アジアカップだって、全部サッカーだ。
色んな試合をみんなが観る、愉しむ、そして子供たちが夢を見る。


だから、日本のサッカーとして研究していくスタイルとは別のことを
やったってことだよね、今回の岡田・ジャパンは。


ただ、完全な結果論だけど、今回はそれで良かっと言っていい部分もある、
って思ってるんだ。

だって、彼らは結果を残したから。


結果以外に残せるものはない戦い方だったけど、その結果を残すことができた。
これがデカイ。本当にデカイ。

以前の記事でも書いたけど、海外開催のW杯でグループリーグを2勝して
16強進出というのは、本当に凄いことをやってくれたと思うんだ。


これがそのまま未来に繋がる。
結果しか残せてないけど、日本にはその結果が今までなかったんだから。
だから、結果が未来に繋がる。そう考えてもいいと思ってる。

ベスト16でPK戦まで行ったっていうのは、ベスト8まであと一歩のところまで
行ったってことだからね。凄い進歩だと思わないかい?
この結果によって、未来に向けての自信、日本だってやれるんだっていう自信は
得られたんじゃないかな。

だから、今回の路線変更とそれで残した結果には絶対に意味があったと思う。



で、またオランダの話に戻ります。

“結果を求めたサッカー”という部分は、オランダも同じだったと思うんだけど、
最後が日本とは決定的に違う。結果が違う。

日本は、
海外開催のW杯で初めての1勝、
地元開催のW杯も含めて初めての初戦勝利、
海外開催のW杯で初めての決勝トーナメント進出、
と、これまでにない結果を叩き出すことができた。
結果で未来に繋げることができた。


では、オランダは?


ないんじゃないかな。

だって、決勝には進んだことあるんだし、なんならクライフのもとで、
“内容も伴った”うえで決勝に行くという、今回以上の成果だって過去に
残したことあるんだから。

だから、オランダは本当に優勝するしかなかったと思うんだ。
あのサッカーで残せるものは優勝という結果しかなかったと。


それができなかった。


これが大きな違い。

かたや準優勝、かたやベスト16。

でも、前者のほうが残せるものがないという、ちょっと不思議なオハナシ。


日本とオランダ、同じような道を選んだ2カ国が、でも同じようなものを
残すことはできなかった、「同じコトと違うコト」って件でした。

今回は一部分のフィーチャーになったけど、今回のW杯については
まだまだ細かいことを考えていきたいので、また色々書きますね。


ではでは

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