イングランド戦の分析とか、戦術的な解析は、それが得意な人に任せるとして。

僕は、この試合の最大の収穫は表題に尽きると思う。日本代表は岡田武史が再びチームを率いて2年、恐らく初めて「われわれ」のものになった。より正確に言うと、「われわれの日本代表」と思う人が、恐らく何万人単位で増えた。

footballnetを観ても、 「面白かった」「一番マシだった」「いい試合だった」という趣旨のコメントが多い。

また、僕のtwitterIDでも、僕が試合にのめりこんで書いたReplyに好意的なものが多かった。カギつきでないものだけを紹介しても、







これほどある。こんなことは、ここ2年でほとんどなかった。「こんな試合はここ2年で〜」と置き換えても成り立つかも知れないが。ともかく表題のように、イングランド戦を契機に「あいつら日本代表」から「われわれの日本代表」に進化した人はものすごく多いのではないだろうか。

これを読んでいるあなたも、岡田武史がファビオ・カペッロとやり合う図が画面に大写しになったとき、「岡田負けるな」と少しでも思ったのではないだろうか。

それこそが、この試合いちばんの収穫だと思う。このイングランド戦たった一試合で、日本代表は最も重要なファクターの一つである「国民からの信頼」を、かなり取り戻したのではないだろうか。

もちろん、冷静に問題点を指摘する声はあるし、それら一つ一つは決して間違ってはいないのだろう。具体的には、例えば「リードしたまま残り時間が少ない場合」のカードの切り方について、あるいは選手選考について、本当にコレでよかったのかという部分もある。それらの微修正は、今後チームで行われていくことを祈るしかない。と言っても国際親善試合はあと1試合しかなく、残りはトレーニングで修正するしかないが。

だが、この試合で「われわれ」と思った人々は、少なくともカメルーン戦キックオフまでは期待を込めて日本代表を見守るだろう。日本の一挙手一投足に一喜一憂し、心の底から勝利を願い、長谷部誠の献身的な動きに拍手し、遠藤保仁の絶妙なタメに感嘆し、大久保嘉人の愚直なまでの前線守備に闘志をかきたてられ、本田圭佑のミドルシュートに絶叫し、田中マルクス闘莉王の競ったボールの先に岡崎慎司や森本貴幸が飛び込んでいくことを、心の底から願うはずだ。

それこそが、イングランド戦最大の収穫である、と思う。

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