ついに歴代首相・外相を国会召致か?「核密約」を闇に葬った政・官・メディアの重い責任【週刊 上杉隆】
ようやく「密約」の存在が認められた。3月9日、日米密約問題に関する報告書の発表会見で、岡田克也外務大臣は政府として初めてその存在を認めた。
これまで日本政府と歴代の外務大臣は「密約」の存在そのものを否定し続けてきた。だが会見当日、岡田大臣は存在を認めた上で、こう語り過去の政権を批判した。
「これほど長期間にわたって、冷戦後も国会や国民に、密約の存在が明らかにされなかったことは極めて遺憾だといわざるを得ない」
それにしても「密約」を不存在とし続けた過去の自民党政権はいったいどう言い訳をするのだろうか。海部首相までの歴代首相には密約の存在について外務省から報告がなされていたのだ。とりわけ、佐藤栄作首相は密約の一部となる文書を自宅に持ち帰ってさえいる。時代は違うものの、国家・国民共有の財産を持ち帰り、その後子孫が長年隠し持っていたという行為は決して褒められるべきものではない。
誤解なきように最初に表明すれば、筆者は、国家として外交上の機密を存在させることを否定する立場には立たない。よって「密約」の存在自体も即「悪」だという認識も持っていない。
問題視しているのは、一方の当事者である米国が「密約」の存在を認めたにもかかわらず、その事実を隠蔽し続けた近年の日本政府の不誠実な対応にある。
きょう(3月10日)発売の「文藝春秋」で作家の塩野七生氏は次のように書いている。
〈私には、この当事者たちの生き残りを呼び出して詰問することからして、礼儀を欠く行為に思える。法的には正しくてもそれだけで突き進むのは、人間世界を知らないか、感受性に欠けているか、のどちらかだろう。いや、この両方かもしれない。ゆえに無駄で終わるだけでなく醜悪でさえある。
八〇年代に入って以後もずっとウソをつきつづけたのは別の問題になる。
この時代の日本の指導者たちは、他策なかりしと信じたからウソをついたのではない。国民どころか自分が先に天国に行きたいという卑しい自己保全か、単なる無知か怠惰で、知らんぷりをきめこんできたにすぎないのである〉(文藝春秋4月号「日本人へ」)。
まったく同感である。
続きはこちら
■関連記事
・支持率急降下の鳩山首相は、岡田外相「核密約」公開の姿勢に学ぶべきだ【週刊 上杉隆】
・「小沢支配」の指摘は的はずれ 小沢氏が目指す国会制度の健全化
・良くも悪くも注目を集める「鳩山外交」を検証する
・鳩山政権をあと少しは見守ろう。総選挙で民主党を支持した身として【週刊 上杉隆】
・外務省記者会見の開放は、不健全なメディアシステム淘汰への一歩だ【週刊 上杉隆】
