45円の年賀はがき-。これは印刷代ではない。別途はがきを購入という必要もない。正真正銘、日本郵便発行の50円年賀はがきを45円で販売している企業が存在するという。なぜ45円?差額の5円は?当たり前だが現在注文が殺到しているというこのサービス。ウワサを聞きつけた記者がさっそくこの「45円年賀状」を扱う「挨拶状ドットコム」に取材を試みた。




メールの普及により、年賀状文化が廃れてきたといわれて久しい。もちろん新年のカウントダウンと同時に挨拶するならメールのほうが便利だし、年賀状の印刷や、宛名書が面倒というのも大きな理由だ。しかし、一方では誰でも親しい友人や親戚からは心のこもった年賀状をもらったほうが嬉しいに違いない。
今回取材に応じてくれた「挨拶状ドットコム」の代表徳丸氏も「挨拶状文化の啓蒙と普及」が45円年賀状サービス誕生のきっかけと語る。

そもそも「挨拶状ドットコム」は、個人や会社の様々な挨拶状の印刷サービスをメインに、オプションで宛名印刷から封筒封入、切手貼付と発送までを一括して引き受けるサービスだ。
特に重宝するのが年賀状と転勤の挨拶状だ。なにしろ年末や年度初めはもの凄く忙しい。転勤の場合には、会社の上司同僚への挨拶状と、親戚友人への転居挨拶をそれぞれ作らなければならない。

「挨拶状ドットコム」を使えば、あらかじめ住所録をパソコンを使ってCSV等で作成しておいて、サイトから文例パターンを選び、住所録データを送信すれば、印刷から発送まで全ておまかせすることが可能。文章はあらかじめ用意されている基本パターンを元に、年賀状なら新年の抱負など、転勤ならば新任地での決意など、自分の文章を織り交ぜることも出来る。




年賀状の場合、宛名まで印刷した状態で納品してもらい、儀礼だけでよい相手にはそのまま発送し、特に親しい友人にだけ「こんどランチしようね」「今年こそ旅行に行こうね」などのショートメッセージを手書きで書けば、心がこもるだろう。宛名印刷の手間が省けた分、全員にショートメッセージを添える時間がとれるかもしれない。




会社の場合は、挨拶状作成の種類も発送数も個人に比べて桁違いに多い。しかし、多くの企業では、作業をしているのは少数の庶務担当者である。仕事とはいえ作業量は大変なものだ。膨大な挨拶状を印刷し、パソコンで宛名印刷をして、切手を貼って発送するまで相当な時間がかかる。このような作業も、「挨拶状ドットコム」を使えば、大幅な作業の軽減に繋がる。

そんな「挨拶状ドットコム」が“挑戦”した今回の45円年賀状サービス。正真正銘、日本郵便発行の50円年賀はがきを45円で販売している。




徳丸氏によると、通常50円の「お年玉付き年賀はがき」に「そだてようきずな」のメッセージイラストとURL・サイト名を印刷。「挨拶状ドットコム」サイト上で年賀状の印刷を申し込んだ人に「1枚45円」で販売をしているとのことだ。

注文の流れは次のとおりだ
(1)サイト上でデザインを決定する。
(2)お年玉はがきを選択する。
・写真入の場合は、この時にデジタルデータを登録。
・マイページに住所録を登録すると宛名印刷が可能。
(3)プレビューで仕上がりイメージを確認。
(4)はがき完成、出荷




気になるのは本来50円の官製年賀はがきをなぜ45円で販売できるのかということ。実際のところ、差額の5円は「挨拶状ドットコム」が負担するのだという。

なぜそこまでして?という問いに対しては、
「挨拶状文化の啓蒙と普及をミッションとし、挨拶状を通しての人と人とのつながりを改めて深めたいのです。」という答えが返ってきた。

ちなみに、45円年賀状は限定50万枚で、すでに半数以上が受注済みとのこと。

たかが5円、されど5円。ここ数年、年始の挨拶をメールで済ませていたという人も、もしまだ間に合えばこの45円年賀状をきっかけに、親しいあの人に年賀状を送ってみてはどうだろう。

心のこもった挨拶状ひとつで、人間関係はもっと素晴らしいものになるに違いないのだから。

(編集部 真田裕一)

「挨拶状ドットコム」
「そだてようきずな」45円年賀状


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