アーセナルのアーセン・ベンゲル監督が15歳のストライカーを獲得すべく動き出している。若手育成に定評のあるフランス人監督が新たに触手を伸ばすのは、フットボールリーグ・チャンピオンシップ(実質2部)のジリンガムでプレーするFWルーク・フリーマンだ。さらにフリーマンの獲得は、元祖“超新星”のFWセオ・ウォルコットの去就にも影響を及ぼしそうだ。

 アーセナルのフリーマン獲得について、ジリンガムのポール・スカリー会長は大筋で合意に至ったとコメント。20万ポンド(約4200万円)の移籍金で放出を決めたスカリー会長は、アーセナルこそFAカップ最年少出場記録を持つ15歳にとって最良のクラブだと確信しているようだ。

「ルークのアーセナル移籍については、大筋で合意に達している。あとは詳細を詰めるのみだ。近日中には正式発表が出来ると思う。ジリンガムにとっては、ルークのような特別な才能を手放すことは残念だが、アーセナル移籍は彼にとって素晴らしいチャンスになる。我々にそれを邪魔することは出来ない。ルークにとってアーセナルは最高のクラブだ。彼らがルークをプレミアリーグレベルの選手に育ててくれるだろう」

 一方、フリーマン加入で今シーズン終了までのレンタル移籍が濃厚となっているのが、FWセオ・ウォルコットだ。2006年1月にアーセナル入りしたウォルコットは、17歳でイングランド代表に選出されるなど、プレミアリーグを代表する“超新星”として大きな期待を集めていた。しかし、いまだプレミアリーグでゴールを記録していない18歳について、ベンゲル監督は「期待していたレベルに達していない」と伸び悩みを認めており、今シーズン終了までのレンタル移籍で実戦経験を積ませる可能性を示唆している。移籍先には、フットボールリーグ・チャンピオンシップのストークなどの名前が挙げられている。

 徹底した若手育成路線が実を結び、快進撃を続ける今シーズンのアーセナル。フリーマンの獲得とウォルコットのレンタル移籍は、有能な若手選手を集めるアーセナルでの競争と世代交代の厳しさを象徴しているのかもしれない。