普段や試合前は談笑していても、いざ試合が始まってしまえば熱くなってしまうのは仕方のないこと。なかには、試合前の穏やかさはどこへやら、陰険な雰囲気で試合を終えてしまうこともある。

 しかし、どんな試合であってもプロ選手である以上、子供たちを含め、観戦者に模範的な姿勢を示すことが必要とされる。そこでイタリアプロサッカー連盟は今シーズンから、選手、スタッフに対して、試合後に必ず握手を交わすよう呼びかけている。

 この指導に関して、「フェアプレー精神は強制されるものではなく、自然に発生するものでなくては意味がない」という意見もあるが、昨シーズンはサポーター同士やサポーターと警察の衝突によって死者が出るなど、ピッチ内外で殺伐とした雰囲気を生み出してしまったことから、罰則規定はないものの、半強制的な指導が行われることになった。

 だが、先週末に行われたインテル―パルマ戦では、レフェリーのジャッジを巡って両チームが揉めに揉めて、試合後の両チームの挨拶は行われなかった。やはり、強制的なフェアプレーへの姿勢は存在しないのか。イタリアではいまだ賛否両論が渦巻いている。