イングランド代表の新監督に就任したファビオ・カペッロは、チーム再建の優先事項に守備陣の建て直しを挙げており、その目玉としてリバプールのDFジェイミー・キャラガーの代表復帰を熱望しているという。しかし、スティーブ・マクラーレン監督時代の冷遇に業を煮やして代表からの引退を決意した29歳は、新監督から直接オファーを受けても、自身の決断を翻すつもりはないと断言した。

 リバプールで不動のセンターバックとして活躍するキャラガーだが、イングランド代表ではサイドバックや守備的MFとしてプレーすることがほとんど。高いユーティリティ性を誇るがゆえに、本職のポジションでプレーする機会は限られていた。自身の持ち味を発揮できない起用法に代表引退を決意したキャラガーは、カペッロ新政権の発足にも、代表復帰の可能性は全面的に否定している。

「代表に復帰するつもりはない。現状に満足しているし、家族との時間をもっと作りたいと思っているからね。今の状況を変えることは考えられないよ」

 2月6日にスイス代表との親善試合を控えるカペッロ。しかし、守備陣の要でキャプテンも務めるジョン・テリー(チェルシー)が負傷欠場する見込みで、代役候補のレドリー・キング(トッテナム)やジョナサン・ウッドゲート(ミドルスブラ)も負傷離脱中と人材不足の感は否めない。就任会見で「イングランド代表のユニホームを着ること自体が選手のモチベーションになる」と語ったカペッロは、固い決意を抱くキャラガーを口説くことが出来るだろうか。