セリエAで夢のような6シーズンを過ごした後、今季戦いの舞台をBへと移したキエーヴォ。「4−2−4」とも称された攻撃サッカーで一世を風靡した。そのシンボルともいえる元指揮官デル・ネーリ(現アタランタ)は古巣の将来を悲観していない。

「(たとえ豊富な資金がなくても)カンペデッリ会長はなすべきことをよく知っている。昨夏の移籍市場でも選手を大量に入れ替えたが、チーム戦力は“半A”レベルにキープした。

 キエーヴォのチーム哲学は健在だ。わずかな資金でも、勝者のメンタリティをもって、いいプレーをする。“キエーヴォらしく”というのは、もはや一つの生き方なのだよ。

 信じてほしい。キエーヴォ方式は必ず機能する。2002年、私のキエーヴォにはイタリア最高の選手たちがいた。スクデットに値するチームだった。キエーヴォの人たちは、地に足をつけて、またAに戻るだろうと確信している」

 無名の選手たちが強豪を面白いように翻弄したミラクル・チーム。デル・ネーリの残した遺産ともいえる、MFコリーニ(トリノ)など元キエーヴォの選手たちは今季のセリエAでも躍動を続けている。昨季の降格後、彼らは各チームから即戦力として引く手あまただったのだ。
 来季、またあのジャッロブル(黄・青)のユニフォームがAの桧舞台で見られるだろうか。