イングランド代表のスティーブ・マクラーレン監督は、MFフランク・ランパードにブーイングを送るサポーターついて、「なぜそんなことをするのか理解出来ない」と語り、選手に対するサポートを呼びかけた。

 2年前には『ファンが選ぶ最優秀選手賞』を受賞していたランパードだが、イングランド代表ではMFスティーブン・ジェラードとコンビを組む中盤センターで本来のプレーが発揮できず、ここ数試合はケガの影響もあり、アストン・ビラのMFガレス・バリーにスタメンの座を譲っている。そして、13日のエストニア戦でもベンチスタートとなったランパードは、70分にマイケル・オーウェンに代わって出場が告げられると、サポーターから大きなブーイングで迎えられた。

 この状況に不快感を露にするマクラーレンは、ファンに冷静な対応を求めた。

「私はフランクがブーイングを受ける理由がまったく分からない。2年前にはファン投票で最優秀選手に選ばれていた選手だ。しかも、2年連続でね。批判やブーイングを受けて喜ぶ選手などいないんだ。それは、クラブレベルであろうと、代表であろうと同じこと。この件についてはフランクとも話したが、今のところ影響はないと思う。現状を乗り越えるしかないのだからね。しかし、ピッチ上のパフォーマンスに影響が出てしまっては問題だ。誰がブーイングをしているかはあまり関係に無いことだ」

 代表レベルでは自慢の攻撃力が鳴りを潜め、窮屈そうにプレーする姿がみられるランパード。ファンにとってはチェルシーでゴールを量産するイメージが強烈なだけに、どうしても厳しい評価を与えてしまうのかもしれない。代表チームで苦しむ29歳は、期待の裏返しとも取れるブーイングを受け入れてパフォーマンスにつなげることが出来るだろうか。