フランス代表FW、ティエリ・アンリ(30)が13日、ユーロ2008予選の対フェロー諸島戦で1得点をあげ、代表の通算41得点目を記録、“将軍”ミッシェル・プラティニ氏(現UEFA会長)のもつ同国歴代最多得点に並んだ。

 アンリは試合後、テレビ(TF1局)のインタビューに「ミッシェル・プラティニのような選手を追い越すなんて、並大抵のことじゃない。いまは並んだところだから、越えるにはあと一歩なわけだ。あと一歩、というのは(ユーロ予選突破をねらう)チームにとっても同じ。リトアニア戦でそれに挑戦するよ」と淡々とした表情で答えた。

 この日の得点も、ペナルティエリアの左から右足を大きく開いてインサイドで右のサイドネットに蹴り込む“アンリ・スペシャル”。「僕の好きな形だ。こういうゴールを生むためにたくさん練習してきた」と喜ぶ。41得点の中でもっとも印象に残るゴールを訊ねられると、「やはり初ゴールだね」と98年W杯の初戦、南アフリカ戦での代表初得点を挙げた。

 レキップ紙によると、アンリの41ゴールのうち、チームメイトのアシストから生まれたのは29得点。もっともアシストが多いのはビルトールの5回で、ピレスの4回がそれに続く。やはりアーセナルのチームメイトとは相性がよかったようだ。以下、複数回アシストしたのは、サニョル(3回)、リザラズ、サア、アネルカ(各2回)の4人。数多くの試合でいっしょにプレーしながら、ジダンからのパスを受けて得点したのはわずか1回だけ。ジダンが引退する直前のW杯ブラジル戦だった。アンリは今回、これを自身のもっとも「美しい」ゴールのひとつに挙げている。

 ただし「もっとも重要なゴールとか、もっとも美しいゴール云々は、引退したときに話すもの。美しいゴールとは、重要な場面で生まれるゴールのことだ」と浮かれる様子を見せなかったアンリ。試合後、チームメイトからも記録に対する祝福の言葉はとくになかったという。「話したのは試合のことだけ。そういうものだ」と4日後に控えたリトアニア戦に早く頭を切り替えたいようだ。