主将ジェラードの振る舞いに感銘を受けるトーレス<br>【photo by B.O.S.】

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 リバプールのFWフェルナンド・トーレスは、新天地にプレミアリーグの舞台を選んだことで、審判を欺くようなプレーが減ったことを明かした。その理由として、チームが絶対的な信頼を寄せるキャプテン、スティーブン・ジェラードの存在を挙げている。

 今夏、鳴り物入りでリバプールに入団したトーレスは、プレミアリーグのスタイルに難なくフィット。すでにエースストライカーの地位を確立している。その過程で、イングランド・フットボール界が審判を欺くプレーに厳しく対処することを、身を持って感じたと言うトーレス。シミュレーションに対しては、チームメイトからも批判を受けるなど、フェアプレーの精神が浸透していると語る。

「イングランドの審判は、ただ倒れただけでは笛を吹いてくれない。彼らを騙そうとしても無駄なんだ。だから、自然とそういったプレーも減る。そして何より、チームメイトがそういったプレーを嫌うんだ。特に、スティーブン・ジェラードのような選手は、相手を欺くようなプレーには嫌悪感すら示すんだよ」

 さらには、キャプテンとしてチームを牽引するジェラードの姿に感銘を受けたと言うトーレス。19歳でキャプテンに任命されたアトレティコ・マドリー時代には、その任務を果たし切れていなかったことに気づかされたと語っている。

「チーム内ではジェラードと(副キャプテンの)ジェイミー・キャラガーが何事に対しても真っ先に行動する。そして、そういう行為はチーム内に伝染するんだ。彼らはチーム内でも象徴的な存在だ。このクラブのキャプテンは、物事を正しい方向に導くことを重視している。だから、チームメイトにも遠慮なく発言するんだ。そういった姿を見ていると、アトレティコ時代の自分がキャプテンの役割をしっかりと果たしていなかったと気づかされるんだ」

 すでにプレミアリーグで4ゴールを記録し、サポーターからの信頼も獲得したトーレス。監督のラファエル・ベニテスをはじめ、スペイン人の多い環境のリバプールではあるが、初の国外挑戦でイングランドの環境に馴染もうと努力する姿勢が結果に繋がっていることは事実。サッカーの母国でフェアプレー精神を叩き込まれた若きエースストライカーは、これからもその才能を遺憾なく発揮し続けるだろう。