【予算カット発言】簗氏本人か…15分超の音声入手 発言に2つの「問題点」『バンキシャ!』
4日、石川県の能登半島地震の被災地を視察した簗農林水産相。自治体の道路予算を自らの意向で「カットした」と発言している簗農水相本人のものとみられる音声を入手しました。その15分49秒の音声を調べてみると──。【真相報道バンキシャ!】
■“問題発言”の簗大臣、週末は被災地を訪問

4日、石川県の輪島港。バスから降り、カメラの前に現れたのは、簗和生農林水産大臣。就任後初の石川県訪問だ。
簗和生 農水相
「まだ復旧も完全に行われていないということで、我々もしっかりとですね、さまざまな支援事業を講じて、1日も早い完全復旧に向けて対応して参りたい」
能登半島地震の被災地を視察した。
前日にも、熊本地震の被災地を訪問し、地元の人と目を合わせ握手する簗和生大臣の姿が。この日は、4か所の視察を行った。
視察後、簗大臣に記者からは──。
──音声って聞かれました?
農水省職員
「きょうの視察に関係ないことはすみません、お控えいただければと思います」
■「道路予算…大幅カットしました。当たり前」音声入手

記者から問われたのは、問題となっている、簗大臣をめぐる“ある音声”について。
問題の発言は今年5月、栃木県で開かれた自民党支部の会合でのことだった。
その時の、簗大臣とみられる人物の音声で語られていたのは、次の通りだ。
司会
「みなさま、お待たせしました。簗代議士がお見えになりましたので、ご挨拶もらいたいと思います」
簗氏とみられる音声
「みなさん、こんばんは。今日は総会で、今日ここに残っている皆様方、良識のあるみなさまということで、自民党の大田原支部をお守りいただき、みなさまからのですね、大変なご尽力を心から感謝を申し上げます。ありがとうございます」
そして問題の発言は、話し始めてから45秒後のこと。
簗氏とみられる音声
「まずですね、那須烏山市と那珂川町の令和8年度の道路予算については、大幅にカットしました。これは当たり前なんですね、2つの要件だと私は見ています。1つは首長が『自民党の国会議員はいらないんだ』という行動。
2つ目の要件は票数ですね。多くの市民・町民がそういう判断をしたということですから。そうであれば自民党が必要だ、自民党の議員に頼ってインフラの予算が必要だというところに、多く回すのが当たり前の話ですから、それをやりました。
このお話は一般の方の前ではやりません。色々な見方をされるので。ただ、こういう役員レベルのみなさん、自民党支部のみなさんの前では、お話をしています。那須烏山市については、前年比の64%減、3分の1にしました、那珂川町は54%減にしています」
「道路予算を大幅にカットした」と発言された那須烏山市と那珂川町は、簗大臣が今年2月の衆院選で出馬した栃木3区にある。
そのときの開票結果を見ると、簗大臣は、那須烏山市と那珂川町で当選した無所属の候補に、大差をつけられていた。
簗氏とみられる音声
「私もですね、命は守らなければいけませんから、市民・町民の。河川の関係(の予算)は触っていません。道路の、命に支障がないところに実現したと。これくらいのことはやらないと、真面目にやっている人たちが浮かばれないんですよ」
さらに“権力の誇示”ともとれる発言も。
簗氏とみられる音声
「きのう、実はですね、那須町の自民党支部の総会がありました。その場でも同じお話をして、建設業協会のメンバーが2人、党員として入っているんですね。色々な話を聞きに来ていたんですよ。なので言ってやりました。『じゃあ私に頼らない、私がいらないということで、無所属の議員を応援するのであれば、私が…予算をですね、なんでそれを受注するんだ』と、はっきり言ってやりました」
■発言には“2つの問題点”

こうした発言の問題点について、日本テレビ政治部の菅原デスクは次のように話す。
政治部・菅原薫デスク
「大きく2つあると思います。1つ目は、行政がゆがめられた可能性。つまり選挙で応援してくれなかったからといって、一議員が恣意的に働きかけをして、予算を削減したのかどうかというところです。政府関係者は『ちょっとそれは考えにくいだろう』と、そういうふうに話しているんですけれども、国土交通省などは、事実関係については精査中としています。
2つ目は、行政がゆがめられていなかったとしても、こうした圧力とも感じられるような発言をすること自体が不適切ではないかということ。これは大臣としての資質を問われる部分でもあります」
■“名指し”された自治体は

簗大臣に“名指し”された、自治体の受け止めは──。
益子純恵町長 / 栃木・那珂川町
「一番思ったのは、驚いたというのが正直なところです。必要な事業をしっかりと国や県に説明しながら、町としてはこれまで通り取り組んでいきたい」
川俣純子市長 / 栃木・那須烏山市
「事実でしたら、かなり良くない話だと思います。かなり住民たちにも影響を及ぼすことなので、反省をかなりしていただきたいなと思っています」
一方、会合に参加していた大田原市議は、問題の発言について次のように話した。
会合に参加していた市議
「1人の言葉でそういうこと(予算の削減)ができるのかなっていうのは、疑問に思いましたよね」
また、別の参加者からは、「応援しない地域に予算がつかないのは当然だ」との声も聞かれた。
■簗大臣が会見「誤解を生むような発言を…」

2日、簗大臣が会見を開いた。
簗和生 農水相
「私が行政に働きかけをして、予算が減ったと。それが事実ではないのにもかかわらず、そのような趣旨に伝わってしまった。音声が出ているということであれば、そういう発言をしたんだと思います。自民党の身内の会ということもあって、少し誤解を生むような発言をしてしまったということがあったと思います。それについては、真摯に受け止めて、今後はこのようなことがないように、徹底して、肝に銘じていきたいというふうに思います」
当該の音声については、「聞いていない」とした。
■音声は「簗大臣本人のものと考えられる」専門機関

入手した音声を分析すると、専門機関は「発言は簗大臣本人のものと考えられ、AIなどで作られた可能性は極めて低い」とした。
また、その内訳をみると、簗大臣が発言していたとみられる15分49秒のうち、問題の「予算の削減など」の話に、3分55秒を割いていることがわかった。
■5日から国会…野党からの追及も予想

今後への影響は──。
政治部・菅原薫デスク
「会見で簗大臣は『誤解』という言葉を繰り返し、真意については『応援してくれている人の気持ちに応えたい』といった趣旨であったと、苦しい説明に終始していました。5日から国会が始まりますが、野党からの追及も予想されます。この国会では、国民生活にも直結する消費税の減税法案などの審議も予定されています。そうした中で、国会がこのスキャンダルだけに時間をとられることを避けるためにも、簗大臣にはまず、丁寧な説明が求められています」
