スーパーで夫がいつものビールをカゴに入れたところ、妻から「今月から発泡酒にして」と棚へ戻されました。毎日1本の晩酌くらい楽しみたいのに、ビールから発泡酒へ替えるだけで家計はそんなに変わるのでしょうか?
節約額は実際の「1本当たりの価格差」で考える
ビールから発泡酒へ替えた場合の節約額は、実際に購入する商品の価格差によって変わります。
たとえば、普段買うビールと発泡酒の価格差が1本40円なら、毎日1本飲む場合、30日で1200円の差です。価格差が50円なら月1500円になります。
年間では、40円差なら1万4600円、50円差なら1万8250円です。1本ではわずかな差でも、毎日の晩酌として続けば年間1万円を超える違いになります。
毎日の差は数十円でも、毎月続けば家計に一定の影響があります。食費や光熱費など、ほかの支出も増えている家庭なら、晩酌代を見直す意味はあるでしょう。
ただし、「ビール」と「発泡酒」という種類だけで価格が決まるわけではありません。同じ種類でも商品によって価格は異なり、購入する店舗や特売の有無でも実売価格は変わります。
そのため、「発泡酒なら必ず月1000円以上安くなる」と考えるのではなく、普段利用する店舗で実際に買う商品の価格差を確認することが重要です。
また、1本当たりの差額だけでなく、1ヶ月に何本買っているかも確認しましょう。毎日1本なのか週末だけなのかで、家計への影響は変わります。
2026年9月現在は酒税にも差がある
ビールと発泡酒の価格を考えるうえでは、酒税の違いも確認しておきましょう。
国税庁によると、2026年9月30日まで、ビールの酒税は350ミリリットル換算で63.35円です。一方、発泡酒は麦芽比率などによって税率が異なり、麦芽比率25%未満の場合は46.99円です。この場合、1本当たりの酒税差は16.36円になります。
この酒税差だけを毎日1本、30日分で計算すると約491円、365日なら約5971円です。たとえば店頭で1本40円の価格差がある場合、そのすべてを酒税の違いだけで説明できるわけではないことが分かります。
販売価格の差がそのまま酒税の差というわけではありません。商品の原材料や製造方法、メーカーや小売店の価格設定なども影響するためです。
10月から酒税差がなくなるため今後の価格も確認する
2026年10月1日からは、ビール系飲料の酒税が350ミリリットル換算で54.25円に一本化されます。
この税率見直しは一度に行われるものではなく、2020年10月、2023年10月、2026年10月の3段階で進められてきました。ビールの酒税も、350ミリリットル当たり77円から70円、63.35円へと段階的に下がり、10月から54.25円になります。
現在63.35円のビールは税率が下がり、麦芽比率25%未満の発泡酒は46.99円から上がります。両者とも54.25円となり、これまでの酒税差はなくなります。
ただし、酒税が同じになっても、店頭価格まで同じになるとは限りません。メーカー側の価格設定や商品の原価、小売店の販売方針などはそれぞれ異なるからです。
そのため、9月時点の価格差だけを見て「これから毎月これだけ節約できる」と決めつけず、10月以降、普段利用する店舗で実際の価格を確認して比較するとよいでしょう。
また、毎日の晩酌が楽しみなら、すべてを発泡酒へ替える方法だけが選択肢ではありません。平日は価格を抑えた商品、週末は好きなビールと使い分けるなど、月にいくら節約したいのかを基準に調整する方法もあります。
家計に余裕があるなら、好きなビールを飲む費用を自由に使える予算に含める考え方もできます。節約額と毎日の満足度のバランスを見ながら決めることが大切です。
まとめ
ビールから発泡酒へ替えた場合の節約額は、実際の商品価格によって異なります。仮に350ミリリットル缶1本の価格差が40円なら、毎日1本で月1200円、年間では1万4600円の差です。
一方、2026年9月現在、ビールと麦芽比率25%未満の発泡酒では、350ミリリットル当たりの酒税に16.36円の差があります。しかし、10月1日からビール系飲料の税率は54.25円に一本化され、この酒税差はなくなります。
だからといって店頭価格まで同じになるとは限りません。今後どの程度の節約になるかは、10月以降の実売価格を確認して判断するとよいでしょう。
毎日の晩酌をすべて発泡酒へ替えるかは、価格差だけで決めなくてもよいでしょう。月にいくら節約したいのかを先に決め、楽しみを残しながら家計に収まる方法を考えるのも一つの選択肢です。
出典
国税庁 酒のしおり(令和8年7月)
国税庁 〔酒税の税率〕
国税庁 酒税行政の現状
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

