坪井智也 5戦目で初黒星を喫す 右目上裂傷のため病院に直行し、試合後会見はキャンセルに
「ボクシング・WBC世界スーパーフライ級王座決定戦」(27日、トヨタアリーナ東京)
WBCスーパーフライ級王座決定戦は坪井智也(30)=帝拳=がリカルド・マラジカ(南アフリカ)に1-2の判定で敗れた。プロ5戦目で初黒星。
坪井はプロ5戦目での戴冠はならなかった。初回にバッティングで前頭部を負傷し、激しく出血。それでも圧力をかけながら速射砲を出していったが、決定打は与えられなかった。
7回にも右目の上をカットし、顔を鮮血に染めながら戦い抜いたが、相手陣営が「南アフリカの井上兄弟」と称するマラジカ兄の強打を被弾する場面もあり、ジャッジの評価が分かれた。結果を聞くと一礼して足早にリングを去った。右目上裂傷のため病院に直行し、試合後の会見はキャンセルとなった。
アマ時代の2021年世界選手権で日本男子初の金メダルを獲得したが、五輪には3度挑戦したものの出場はかなわなかった。事実上の引退状態だったが、同学年の堤聖也、ユーリ阿久井政悟、井上拓真らがプロで活躍する姿を見て、再び闘志に火がついた。「僕もまだまだボクシングを頑張りたい」。昨年1月にプロ転向。28歳で安定を捨てる決断をしたが、妻からは「好きなことを頑張れ。やるなら本気でやらなきゃ」と背中を押された。
7月には第1子の長女も誕生した。家族からは打たれすぎたら引退、とくぎを刺されている。「プロはグローブが薄いから何があるか分からない。打たれると(選手)寿命が短くなるし、考える能力も減る。打たれずに打つことが最重要」。一方的に攻め続ける唯一無二のスタイルをつくりあげたが、プロでは世界の壁にはじかれた。
◆坪井智也(つぼい・ともや)1996年3月25日、静岡県浜松市出身。極真空手を経験し、11歳でボクシングを始めた。浜松工高から日大に進み、全日本選手権4連覇を含む5度優勝。卒業後は自衛隊に入り、2021年の世界選手権ベオグラード大会で日本勢で初となる金メダルを獲得した。東京五輪、パリ五輪と出場を逃して第一線を退いていたが、25年3月、帝拳ジムからプロデビュー。25年6月にWBOアジア・パシフィック・バンタム級王座獲得。アマ戦績は106勝(10RSC)25敗。家族は夫人と1女。160センチ。右ボクサーファイター。
