「アジアってそんなに簡単じゃないよな」北朝鮮との激闘を制したロス世代が燃やす「A代表」への野心 市原吏音、横山夢樹が語った“次なる目標”と塩貝健人との秘話【アジア大会】

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日本は30日にU-23ウズベキスタンと準決勝を戦う(C)Getty Images

 自国開催の2026年アジア大会(愛知)に挑んでいるU-21日本代表。ここまでのグループリーグは、U-23ホンコンチャイナ、キルギス、タイという格下相手で、大岩剛監督率いる日本は順調に3連勝。1位通過で8強に勝ち上がったが、決勝トーナメントからは本気度が全く違う。とりわけ、9月26日に豊田スタジアムで対峙した準々決勝の相手・北朝鮮は非常にタフな集団だった。

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「今大会に入ってから我々は初めて圧倒的なプレッシングを受け、その対処で受けに回ってしまった。そこは反省すべきところ。トーナメントというのは得てしてこういう試合がある」と次期A代表監督も険しい表情を浮かべたように、90分間のスタッツを見ても、ボール支配率が48%、シュート数も相手より8本も少ない10本。本当に厳しい内容だったのは間違いない。

 それでも、デンマーク2部でプレーする191センチの長身FWンワディケ・ウチェブライアン・世雄(オールボー)が39分に縦パスに反応して鋭い裏抜けを見せ、先制点をゲット。虎の子の1点をGK荒木琉偉(G大阪)、キャプテン・市原吏音(AZ)ら守備陣が粘り強く守り切り、1-0で勝利。首尾よくベスト4に駒を進めることに成功した。

「『アジアってそんなに簡単じゃないよな』と改めて思わされました」と市原が言えば、「今までやった国際試合の中で一番激しかった相手」とロス世代随一のドリブラー・横山夢樹(C大阪)も神妙な面持ちで振り返る。

 そういう中でも何とか勝ち切れたのは、「自分たちもA代表に行きたい」という強い野心が選手個々の中にあったことが大きかったと言っていい。

「A代表で同世代の選手が活躍している中で、自分もそこを目指しているので、1日でも早くA代表に行きたい」と市原は語気を強める。現在、広島で活動中のロス世代である塩貝健人(ヴォルフスブルク)、佐藤龍之介(バレンシア)とは北朝鮮前日にビデオ電話で話をしたといい、「大きな刺激をもらいました」と打ち明ける。

「A代表の練習とか選手の話とかをしましたし、塩貝って何かを話題を作っちゃうじゃないですか(笑)。その裏話もしました」とキャプテンは笑顔を見せていたが、「早く自分たちの世代が中心となって日本代表を盛り上げたい」という意欲がより一層、湧き上がってきたのは間違いないだろう。

 一方の横山も、同い歳のウインガー・齋藤俊輔(ウェステルロー)が一足先に森保ジャパンに呼ばれ、彼の憧れの存在である中村俊輔コーチから直々にFK指導を受けていると聞けば、「絶対に負けてはいられない」という闘争心が高まってくるはずだ。

「彼はベルギーで得点を重ねてますけど、本当にいい状態だったらA代表に選ばれる。自分もたぶんJリーグで点を重ねていたら選ばれる可能性もあったと思うので、得点のところはこれから先、もっと練習しなきゃいけないですね。(セレッソの先輩・香川)真司さんからも『日の丸を背負う責任が伴ってくるからしっかり頑張れよ』と言われましたし、それを背負って守備も球際も頑張っていかないといけないと思います」と力を込めていた。

 大岩監督が2027年3月以降、A代表の指揮を執ることが決まっているため、アジア大会メンバーは全員が「いいアピールをして、来年以降は常連メンバーに滑り込みたい」と考えているに違いない。それを実現させるためにも、30日の準決勝・U-23ウズベキスタン戦に勝ち、10月3日のファイナルで宿敵・U-23韓国代表を打破して頂点に立たなければいけない。明るい未来を切り開くのは、自分たちの実力次第。彼らのチャレンジはここからが本番だ。

[文:元川悦子]