治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が、YouTubeチャンネル「小比類巻文隆【最後の取調室】」で動画を公開した。動画では、傷害容疑で逮捕された猪俣周杜容疑者が勾留期間中に突然釈放された理由について、元刑事の視点から推測と解説が行われている。

小比類巻氏はまず、猪俣容疑者が逮捕後に10日間の勾留が決まっていたにもかかわらず、期間満了を待たずに釈放された点に着目。「何となく反省しているからとか、大ごとになっちゃったんで釈放しましょうと、そういうわけにはいかない」と述べ、司法手続き上、釈放には明確な理由が必要であると語る。

その理由として、弁護側からの「準抗告」が認められた可能性と、検察側が「これ以上身柄を拘束しておく必要がない」と判断した可能性の2つを提示。報道等から後者の可能性が高いと推測し、その背景には被害者女性との間に「何らかの事情が変わったと考えるのが妥当」と分析する。

具体的には、示談の成立や被害届の取り下げ、処罰を希望しなくなったなどの変化が挙げられた。小比類巻氏は過去のDV事件の対応経験を振り返り、被害者が警察を呼んだものの、逮捕されて活動休止といった予想以上の社会的制裁に発展したことで、「まさかここまで話が大きくなると思わなかった」と驚き、被害を取り下げるケースは実務上よくあると明かした。

最後に小比類巻氏は、今回の事件も被害者が処罰を希望しなくなったことで身柄拘束の必要性がなくなり、最終的には不起訴処分となる可能性が高いと推測した。事件の裏側にある当事者の心理と司法制度のリアルを学べる、興味深い解説となっている。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993~2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。