取材に応じる大会組織委の大参孝彰事務局次長

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「このままでは、日本開催史上最悪のスポーツ大会の烙印を押されますよ」。こう嘆息して語るのは、愛知・名古屋アジア大会を取材している日本メディアの記者である。連日外国メディアから宿やバスの手配ミスなどを叩かれ、見るも無惨な状況になっているが、組織委が開いた反論会見がまた「ひどかった」と言うのだ。

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取材を入れてからの返事が「とにかく遅い」

 大会を取材中の記者たちは「そもそも広報体制がメチャクチャ」と組織委への不満を訴える。

「開催前から、各競技団体へ取材を申し込むにも、組織委を通さなくてはならないルールがあっていちいちうるさかった。しかも、全てに組織委スタッフが同行まですると言って、スケジュールがなかなか決まらないんです」(テレビ局記者)

 開会後、記者たちの不満はさらに増幅した。国歌の取り違え放送、コンテナ宿の水漏れなど宿泊施設の不備、バスの配車ミス、食事への不満…。外国選手団との間でトラブルが続出しているにもかかわらず、「組織委は自らまったく広報しようとしなかった」と語る。

取材に応じる大会組織委の大参孝彰事務局次長

「とにかく問い合わせてからの返事が遅い。3日くらい待たされるなんてザラです。ちゃんと対応して欲しいと記者団が強く要望した結果、当初は9月21日に対応すると言っていたのに、それもすっぽかされた。そして、ようやく22日に囲み形式での会見が開かれたんですが、この会見に対しても外国メディアが参加できなかったと不満が入り、23日にやり直すことになったんです。後手後手にも程があります」(全国紙記者)

「基本的には正常に機能している」

 しかも、その反論内容が「言い訳がましくて聞くに耐えなかった」と言うのである。

「要約すると、“色々と報じられていますが、私たちはしっかりやっています”“悪いのは向こうです”と言いたげな内容でした」(前出・全国紙記者)

 例えば、バスの配車問題。韓国のバスケットボール選手団から、時間通り来なかったため、決勝前の練習ができなかったとの報道が出ていることに対して「一部でミスがあった」と認めつつも、

「外国選手団が配車予定をリスケする際は午後3時までとルールに定められているのに『ルール違反が横行している』と、選手団に責任転嫁するような説明をしていました」(同)

 宿泊手続きがうまくいかず、「路上で寝ながら待たされた」とタイのセパタクロー選手が訴えたトラブルに関しても同様で、

「『期限通り、事前に渡した手続き書類を出していただいている選手団については、スムーズに何らの障害もなく配宿されている』とし、『配宿リストが間違っていたり、配宿リストには入っていなかった選手を入れて欲しいとルールに反した要望を言ってくる選手団がいる』と、ルール違反が原因だと強調しました」(同)

 唯一、真正面から非があったと認めたのは、

「18日、男子ホッケー『韓国対バングラデシュ』で、韓国の国歌を流すところを間違えて北朝鮮国歌を流してしまったミスくらい。これについては『あってはならない重大ミス』と認めたんですが、そのほかの問題については、『あらかじめ私たちが準備してきた計画通り、基本的には正常に機能していると思っています』とまで言い放ったのです」(同)

「結果オーライ」で済ませていいのか

 こうした反論に対して出てきたのは、45の国・地域が出場するのだからもっと柔軟に対応できる体制を整えておくべきだったのではとの声だ。

「『選手が遅れた結果、空のままバスを出してしまうことが頻発していた』と言っていたが、もっときめ細かくコミュニケーションが取れる体制を整えていたら、防げた無駄でしょう。コンテナハウスでは背が高い選手が窮屈になるという懸念にしても計画段階から出ていたものです。案の定、韓国メディアに“難民キャンプ”とまで酷評されてしまった」(前出・テレビ局記者)

 各会場の準備も軒並み当初の予定を遅れており、綱渡り状態で開催してきたという。

「いくつかの会場では『電源がない』と試合前日のギリギリまで工事が続いていたと聞いています。これについての質問も出ましたが、『結果として、試合に間に合うよう作業はできている』と結果オーライと言わんばかりだった。予算削減ばかりに目が行って、そもそも“おもてなしの姿勢”に欠けていたんではと批判も出ています」(スポーツ紙担当デスク)

 しかも、広報を担当している大参孝彰・組織委事務局次長は、韓国メディアに対する恨み節とも取れるようなことまで述べたという。下記はその発言だ。

「国歌の取り違え事件については、本当にあってはならない事件であって、あれがとてつもなく大きな物事だと思ってます。それ以外のイシューについては、他の国でも一定数起きていることであって、それが国歌の取り違えの部分も含めて、連続的に報道されているのかなあ、と思っています」(22日の囲み会見での大参孝彰・組織委事務局次長の発言)

 前出のテレビ局記者が呆れて言う。

「韓国メディアを意識して『一部誤報がある』とも反論していましたが、長年、緊張関係にある国の国歌を流すと言う致命的なミスを犯したのは事実だし、宿泊・移動面では韓国以外の国からも不満が出ている。ミスを矮小化しようとしているように見えてみっともない。今回は東京五輪汚職・談合事件の影響で電通が受注を辞退しましたが、『電通が入っていれば、こんなひどいことにはならなかった』と関係者は一様に口を揃えています」

 後編【「中央日報が激しい」ここぞとばかり韓国メディアが愛知アジア大会を猛バッシングするワケ 識者は「韓国人はもう日本人を追い越したと見下している」】では、舌鋒鋭く組織委を批判する中央日報の報道内容を検証するとともに、隣国の韓国人がどう受け止めているかについても詳しく伝えている。

デイリー新潮編集部