アルゼンチン代表の10番を背負ってきたメッシ photo/Getty Images

写真拡大

ワールドカップが終了して各国が新たなサイクルに入るなか、ブラジルとアルゼンチンでは大きな変化が起ころうとしている。その象徴となるのが、南米サッカーで特別な意味を持つ「10番」の後継者探しだ。『ESPN』が報じている。

2026年ワールドカップでベスト8進出を逃したブラジルでは、カルロ・アンチェロッティが大幅にメンバーを入れ替えた。ノルウェー戦での敗退によってネイマール時代には幕が下りたとみられ、アンチェロッティも今後の構想にサントスFC所属のFWネイマールが含まれていないことを明確にしている。

アンチェロッティはノルウェー戦で途中出場したネイマールによってチームのバランスが崩れたと認めており、終盤のネイマールをプレイメーカーというより中央のFWとして捉えていた。ブラジルにとって重要なのは、ネイマールに代わって誰が攻撃を引っ張る責任を担うのかという点だ。

候補としてまず名前が挙がるのがチェルシー所属のFWジョアン・ペドロだ。ネイマールの復帰によってワールドカップのメンバーから外れたものの、アンチェロッティは今回の代表戦で再び招集した。ただし負傷しており、次の代表戦まで待つ必要がある。

また、ワールドカップで個人として好プレイを見せたレアル・マドリード所属のFWヴィニシウス・ジュニオールも、攻撃を担う準備ができている。一方、バルセロナ所属のFWハフィーニャについては、アンチェロッティが本来の力を引き出せるかが重要になる。

一方、アルゼンチンではインテル・マイアミ所属のFWリオネル・メッシの代表引退が大きなテーマとなる。メッシは10月6日にブエノスアイレスで行われるベナン戦が代表最後の試合になるとみられている。ただし、長期的な視点ではコルドバで行われるボリビア戦とブルキナファソ戦のほうが、メッシ不在のチームを試す重要な機会となる。

アルゼンチンは過去にもメッシを欠いた試合を経験しており、前回ワールドカップ予選では18試合中10試合にしか先発していない。その際には、アトレティコ・マドリード所属のFWフリアン・アルバレスが持ち前の才能、運動量、万能性を生かしてメッシのポジションを埋めるケースが多かった。アルバレスは今後もアルゼンチンの重要な存在であり続ける。

ただし、純粋な10番候補として注目されるのが、コモ所属のMFニコ・パスだ。元アルゼンチン代表DFを父に持つパスは、セリエAで高い評価を集めている。これまで代表ではメッシとともにプレイすることが難しく、両者とも足元でボールを受けることを好むため、同時起用には難しさがあった。メッシがいなくなれば、その問題はなくなる。

パスには今後、より長い出場機会が与えられるとみられるが、競争相手となる若手もいる。レアル・マドリードからフィオレンティーナへ期限付き移籍しているMFフランコ・マスタントゥオーノだ。マスタントゥオーノは、好スタートを切っており、存在感を示せば代表定着も夢ではないだろう。

ネイマールと、とりわけ晩年のメッシがそれぞれの代表で見せた輝きは、簡単に忘れられるものではない。しかし、その2人が残した足跡は、新たな世代にとって自らの歴史を築くための刺激にもなる。ブラジルとアルゼンチンの新たな10番探しは、始まったばかりだ。