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1992年、福岡県飯塚市で女児2人が殺害された飯塚事件についてです。犯人として死刑が執行された元死刑囚の家族は、無罪を訴え、裁判のやり直しを求めています。

その家族の弁護団が新たに、3回目の裁判のやり直しを申し立てる方針であることが分かりました。

死刑判決を導いた証拠の一つ、「DNA型鑑定」を意図的に変えた疑いがあると主張しています。

久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚。

1992年2月、飯塚市で小学生の女の子2人を殺害したなどとして死刑判決が確定しました。

久間氏と犯人を直接結びつける証拠はなく、久間氏は一貫して無実を訴えていました。

■久間三千年氏
「やっていないものをやったと思われたことだけは、これは白黒必ずつける。」

しかし、死刑判決からわずか2年後、死刑が執行されました。

死刑判決の根拠となった状況証拠の一つが「DNA型鑑定」です。

被害者の遺体などから見つかった犯人の血液のDNA型が、久間氏のものと一致したとされました。

鑑定は、警察庁の科学警察研究所「科警研」が行ったものでした。

当時の鑑定は、ガラスの板で囲んだゼリー状の「ゲル」にDNAを注入して電気を流すと、個人によって進む距離が違う特性を利用していました。

犯人由来のDNAと、比較したい捜査対象者のDNAを一緒に調べる「同時泳動」を行って、帯状に現れる「DNAバンド」の位置でDNAの型を測定。同じ位置なら一致、違うと不一致と判定します。

しかし、鑑定を行った「科警研」の技官は驚くべき証言をしたのです。

■飯塚事件 再審弁護団・岩田務 弁護士
「同時泳動したのではないかと(裁判で)2度聞いているんです。その時に、科警研の技官が宣誓した上で、同時泳動していませんとはっきり証言しています。」
Q.同時泳動していないと聞いてどう思いましたか?
「してないはずはないと思いました。」

すると今回、「科警研」の技官の証言とは裏腹に、「同時泳動」の痕跡と、そのことを隠して鑑定書を作成した疑いが浮上しました。

発端は、久間氏の鑑定のネガフィルムに切り取られたような跡があり、その縁にある「影のようなもの」に気づいたことでした。

その「影のようなもの」と、現場で採取された複数の試料を法医学の専門家が検証すると、犯人のDNA型が含まれる被害者由来のDNAバンドと、形や濃さがぴったり合ったといいます。

このことは、久間氏のDNAと犯人のDNAを一緒に調べる「同時泳動」が行われたことを意味します。

同時に比較することで正確さがより担保されるはずなのに、なぜ切り取る必要があったのか。

法医学の専門家は「(DNA型の)一致、不一致を確かめようとした結果、望む結果ではなかったので切ったとしか考えられない」としています。

「同時泳動」を行ったとすれば、犯人のものとされる「DNAバンド」と、久間氏のバンドの位置はずれている。これは、DNA型が一致していないことを意味します。

弁護団によりますと、法医学の専門家は次のように指摘しているということです。

①久間氏のDNAと犯人のDNAは「同時泳動」され、同じ条件で比較された。
②しかし、2つのDNA型は一致しなかった。
③当時の鑑定人は、そのことを隠そうとして虚偽の鑑定書を作成した疑いがある。

■岩田弁護士
「同時泳動して犯人と久間さんが全く別人だと分かっていたのに、(科警研の技官は)同時泳動の結果をわざわざ切り離して別々の鑑定書にして、全く犯人ではない久間さんを犯人に仕立て上げた。」

飯塚事件の弁護団は、今回示された鑑定結果を新たな証拠として、近く3回目の再審請求を申し立てる方針です。

※FBS福岡放送めんたいワイド2026年9月24日午後5時すぎ放送