【解説】トランプ大統領“異例の厚遇”で習主席を迎えるワケ…米中首脳会談4つのポイント
米中首脳会談に向け、習近平国家主席が23日に訪米する。トランプ大統領が自ら出迎えるなど、異例の厚遇ぶりが注目される今回の会談。4つのポイントで解説する。
■習主席は23日に訪米予定
中国の習近平国家主席が23日、国賓としてアメリカを訪れます。アメリカのトランプ大統領は、アンドルーズ空軍基地に到着する習主席を自ら出迎えるほか、24日の到着式典にはおよそ480人の軍関係者が参加し、B-2爆撃機とF-22戦闘機の飛行も予定されています。
24日の米中首脳会談後はイーロン・マスク氏やオープンAIのサム・アルトマンCEO、エヌビディアのジェンスン・ファンCEOらも招待された国賓晩餐会も行われます。
トランプ大統領と習主席の会談はことし5月に北京で行われて以来。習主席の訪米は2023年のバイデン政権時にカリフォルニアを訪れて以来で、ホワイトハウス訪問は2015年のオバマ大統領時代以来、11年ぶりのことです。
■異例の厚遇…トランプ氏の思惑は
異例の厚遇で習主席を迎えるトランプ大統領。
アメリカに次ぐ経済大国、中国にアメリカの航空機や農産品の購入拡大、レアアースの輸出規制の更なる緩和などを求め、11月の中間選挙に向け、有権者に経済的な成果をアピールしたいものと見られています。
■ポイント(1)貿易休戦延長は?
最大の焦点は、ことし11月10日に期限を迎えるアメリカと中国の「貿易休戦」の扱いです。
貿易戦争がエスカレートしていたアメリカと中国ですが、2025年10月末、トランプ大統領と習近平国家主席が韓国・釜山で会談し、一時休戦することで合意しました。
中国はレアアースの輸出規制を緩め、アメリカは関税を引き下げる事などで合意していましたが、その期限が、ことし11月10日に迫っています。この扱いで何らかの合意に至れるのかが最大の焦点となります。
■ポイント(2)台湾問題で譲歩の懸念も
また台湾問題も焦点です。中国側は、アメリカが台湾へ武器売却をする事を何としてでも止めたいとの思惑があります。
アメリカでは、台湾向けのおよそ140億ドル規模の武器売却が一時停止され、トランプ大統領の判断待ちとなっています。トランプ大統領は、これを中国との「良い交渉材料だ」とも述べています。
中国側が、アメリカの農産品などを大量購入する見返りに、トランプ大統領に台湾に関し何らかの譲歩を求めるのではとの指摘もあります。
■ポイント(3)AIでの協力は
またアメリカと中国で覇権争いが続いているAI分野についても協議が行われる見通しです。
この分野はアメリカと中国が協力できる数少ない分野との見方もあります。
アメリカは、AIにより国家の安全保障に関わるような脅威や事故などが起こった場合、米中がお互いに通知し合う枠組みの構築を提案しています。
AI脅威論が広がる中、2大AI大国が、リスク管理でどこまで協力できるのかは大きな焦点となります。
■ポイント(4)イラン・中東情勢は
またイランや中東情勢も議題に上ると見られています。
ロイター通信は、「中国はイランとの緊密な関係を維持しているが、事態の打開に向けて中国が手を差し伸べるかは不透明だ」と伝えていますが、トランプ氏が習主席に何らかの働きかけをするのかなど、協議の行方が注目されます。習主席は25日にトランプ大統領と共にアメリカ国立公文書館を訪問した後、帰国する予定です。