<50代からの旅行は身軽で安全に>「とりあえず」「念のため」は禁物。整理収納アドバイザーが教える「5つの荷造りのコツ」とは…
着なくなった服を押しこんだクローゼット、本がぎっしり詰まった本棚、使わないお皿だらけの食器棚……。モノで溢れた家にうんざり、という読者も多いのでは。一方、これまでに7000人以上の受講生へアドバイスをしてきた人気整理収納アドバイザー・阿部静子さんは「こんな時代だからこそ、人生の折り返し地点を過ぎたら片づけたもの勝ち」と断言します。その阿部さんが50代以上に向けて、お手軽片づけ術を伝授! 今回のテーマは「5つの荷造りのコツ」です。
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できるだけコンパクトに、必要なものは持つ
今年は5連休となるシルバーウィーク。旅行を予定している方もいらっしゃるのではないでしょうか。私は整理収納アドバイザーとして講座や仕事で東京などへ出張することが多く、日頃からスーツケースを持って移動する機会がよくあります。
そんな私がいつも意識しているのが、「できるだけ荷物をコンパクトに、でも必要なものはきちんと持つ」ことです。
旅行は楽しみですが、毎回頭を悩ませるのが「荷造り」。
「この服も着るかもしれない」
「寒かったら困るから、もう1枚」
「念のため、これも持っていこう」
気がつけば、スーツケースがいっぱいになってしまった…ということはありませんか? 私は整理収納アドバイザーとして片づけをお伝えしていますが、旅行の荷造りも、家の片づけとよく似ていると思っています。
大切なのは、「とりあえず持っていく」をやめること。さっそく5つの荷造りのコツをご紹介します。
1.「とりあえず」「念のため」は禁物
荷造りの時に、「使うか分からないけど、とりあえず持っていこう」というものが増えてしまいがちです。あれば便利であっても、無くても困らないものは持って行かないことです。
実際、「結局、使わなかった」という声も聞きます。服も同じです。私は旅先で何を着るかを具体的にイメージしてから準備します。
「3泊だから3日分」ではなく、着回しできる服を選ぶ。そして、しわになりにくい服を選ぶのもポイントです。
「入るから持っていく」のではなく、「使うから持っていく」。
これだけでも荷物の量はかなり変わります。
2.圧縮グッズを上手に使う
衣類はファスナーを閉めるだけで圧縮できるバッグなどを利用しています。
かさばる洋服もコンパクトになり、スーツケースの中もすっきり。
最近はさまざまなサイズの圧縮ケースがありますので、旅行の日数や衣類の量に合わせて選ぶと便利です。
ただし、コンパクトになったからといって、「まだ入る!」と服を増やさないこと。
大切なのはスーツケースに入る量ではなく、自分が無理なく持ち運べる量です。
帰りにはお土産で荷物も増えることも考えておきましょう。
3.家にあるものを旅行グッズに
わざわざ旅行用品をたくさん買わなくても、家にあるものが意外と役立ちます。
たとえば、シャワーキャップは靴入れにできます。
靴の底をすっぽり覆うことができ、バッグの中を汚さずに済むので、もう一足持って行く必要があるとき使っています。

シャワーキャップを使い、靴入れに。型崩れしないようつま先に靴下を(写真:著者)
雨の日には、バッグの簡易的な雨よけや折り畳み傘を入れるのにも使えます。
ファンデーションやアイシャドーなどのケースは、ふたとの間にコットンを挟んでおくと、移動中に粉が割れるのを防ぎやすくなります。

ファンデーションやアイシャドウなどは、コットンを挟むと粉が割れにくい(写真:著者)
特別な旅行用品を増やすのではなく、普段家にあるものを活用する。
これも、ものを増やしすぎない片づけの考え方につながっています。
4.荷物は減らしても、「もしもの備え」は減らさない
出張が多いからこそ、実際の移動で「これは持っていた方がいい」と感じているものもあります。
その一つが、携帯トイレです。
私は100円ショップで購入した薄くてかさばらないものを、旅行のバッグに必ず忍ばせています。

著者が持ち運んでいる携帯簡易トイレ(写真:著者)
最近は、新幹線が大雨や強風、車両トラブルなどで長時間止まることもあります。いつ目的地に着けるかわからない状況になったときのことを考えると、小さくて軽い携帯トイレは持っていると安心です。お守りのように持っています。
さらに、新幹線に乗るときには、ペットボトルの飲み物も必ず用意します。
「車内で買えるから」と思っていても、列車が急に止まり、長時間その場で過ごすことになる可能性もあります。
そして、もう一つ必ず持っていくのがスカーフ。薄くてかさばらないのに、とても便利です。
少し肌寒いときには肩から掛けたり、膝掛け代わりにしたり。首元に巻けば服装の印象も変えられるので、少ない洋服で着回したい旅行にも重宝します。
荷物を減らすことばかり考えるのではなく、何を減らして、何を残すかを考えることが大切。
これは、普段の片づけと同じです。
私にとって、携帯トイレ、飲み物、スカーフは、「念のため」ではなく「必要な備え」。
「念のため」と何でも持っていくのはやめる。でも、安全や安心につながるものまで手放さない。
身軽さと備え、その両方を大切にすることが、50代からの旅行を安心して楽しむコツだと思っています。
5.「荷ほどきまでが旅行」
そして、もう一つ私が大切にしているのが、「家に着くまでが旅行」ではなく、「荷ほどきまでが旅行」ということ。
旅行から帰ってきて疲れていると、「片づけは明日でいいかな」と、旅行バッグやスーツケースをそのままにしてしまいたくなります。
でも、その日のうちに荷物を出して、元の場所へ。
洗濯するものは洗濯へ。使わなかったものも元の場所へ戻します。
そうすることで、翌日からいつもの暮らしに戻りやすくなります。
逆に後まわしすると、リビングに大きな旅行バッグ、玄関にスーツケースが場所を取ります。
旅先に持って行くものを抑えられると、荷ほどきもラクという良さもあるのです。
そして先日、東京で転びました
そんなふうに、旅行や出張では「身軽に」と心がけている私ですが、先日、東京で転んでしまいました。
目的地までスマートフォンのマップをすぐ見られるよう、スマホを片手に持って歩いていたときのことです。ちょっとした段差につまずいて転倒。
幸い膝を擦りむいた程度で大事には至りませんでしたが、手にはスマホ、肩にはバッグを掛けていたため、とっさに地面に手をつくことができませんでした。スマホを片手に持つ危険さ、手がふさがっている危険さを思い知らされた出来事です。
後で夫から、「年を重ねると、とっさのときの反応が鈍くなる」と言われて、ハッとしました。
旅行中は、知らない道を歩き、行き先を探し、荷物も持っています。普段以上に気を付けたいものです。
50代からの旅は「身軽さ」も大切に
若い頃は、多少荷物が重くても、それほど気にならなかったかもしれません。
けれど年齢を重ねると、重いスーツケースを持って階段を上り下りしたり、大きなバッグを抱えて移動したりすることが負担になってきます。
昔と同じ感覚でいると危険。今回、自分が転んだことで、改めて思いました。荷物を減らすことは、ラクになるだけではなく、安全にもつながる。
「念のため」「一応」「もしかしたら」そんなものを一つ減らすだけでも、荷物は軽くなります。
そして荷物だけではなく、予定にも少し余白を。急がず、足元にも気を配る。50代からの旅行は、荷物も行動も、少し余白があるくらいがちょうどいい。
シルバーウィークにお出かけを予定している方は、荷造りをしながら、「これは本当に使う?」と、一度問いかけてみてください。荷物も心も軽くして、安全に秋の旅行を楽しみたいですね。

