「子どもの将来のために、お金を残してあげたい」。そう考える親は少なくないだろう。そんな中、高利益率のストック型ビジネスを複数展開する株式会社RAVIPA社長の新井亨氏は、「華僑をはじめとする富裕層の家庭では、『自分の力でお金を生み出す方法』を身につけさせている」と話す。子どもが一生困らないために、親が本当に教えるべき「稼ぐ力」とは何かについて、新井氏が解説する。全3回中の1回目。

 ※本稿は、新井亨『トップ1%の富裕層が子どもに伝える 世界一のお金の教育』(KADOKAWA)の一部を抜粋・再構成したものです。


華僑は子どもに「自分で稼ぐ力」を身につけさせる


 世界にはさまざまなお金の教育がありますが、華僑を始めとする富裕層の家庭教育には一つの大きな特徴があります。それは、子どもに「お金の大切さ」を教えるとき、まず最初に「自力で稼ぐ力」を教えるということです。


 日本の多くの家庭では、子どもにお金を与えることで教育をしようとします。


お小遣いを渡して、欲しい物を買ってあげて、必要なものは親が用意することは自然な行動であり、子どもに不自由な思いをさせたくないという愛情から生まれるものです。


 しかし華僑を始めとした富裕層の家庭では、少し考え方が違います。子どもにお金を与える前に、「どうすれば自分でお金を生み出せるのか」という考え方を教えるのです。


 たとえば、日本で有名な投資家として知られる村上世彰氏も、その代表例の一人です。


 村上氏の父は在日台湾人で、台湾との貿易を手がける華僑商人でした。家庭には、商売やお金の流れを日常の中で学ぶという、まさに華僑らしい経済教育の環境があったと言われています。


 村上氏は幼少期に、父親から100万円を渡され、「このお金をどう増やすか考えてみなさい」と学ぶ機会を与えられたことで知られています。普通の家庭であれば貯金を教える場面ですが、そこで教えられたのは自力で増やせということでした。


 その経験により、村上氏は若い頃から投資や企業価値を見る感覚を身につけ、のちに日本を代表する投資ファンド「村上ファンド」を築くまでになりました。



お金は「感謝」との交換で生まれるもの


 つまり、幼い頃からお金の流れや価値の作り方に触れる教育は、人生を大きく変える力を持っています。お金は「親や会社から貰うもの」ではなく、「自分で作り出すもの」として考える習慣はとても大きな差を生み、自分で稼ぐ経験をした子どもは、お金を生み出せるという感覚を持てるのです。


 たとえば、華僑の家庭では、小さい頃から簡単な商売を体験させることがあります。家族の店を手伝い、商品を売る経験をさせてサービスを提供するということを教える。こうした体験を通じて、子どもは一つの大切なことを学びます。


 それは「お金は感謝と交換されて生まれる」ということです。何かの価値を提供するから、感謝の対価としてお金が生まれる。


 役に立つことをするから、報酬が生まれるという仕組みを早い段階で理解するのです。


 そして、この考え方人生に大きな影響を与えます。自分で稼ぐ力を持っている人は、環境が変わっても生きていくことができます。


 会社が変わっても、国が変わっても、時代が変わっても、感謝という価値を生み出す力があれば、どこでも生きていけるからです。


 ここが、華僑が世界中でビジネスを成功させて富を増やせる理由でもあります。



華僑の財閥が代々富を増やしていく理由


富裕層の家庭では、「ゼロから1を生み出す力」をとても大切にします。


 もし親に万が一のことがあっても、自分でお金を生み出す力があれば、どこでも生きていくことができるからです。


 日本では、親がお金持ちでも、子どもがその資産を使い果たしてしまうという話を聞くことがありますが、華僑ら富裕層の世界ではそんな話は、ほとんどありません。


 お金は誰かに与えられるものではなく、「自力で稼ぐ力」を必ず先に教えられるからです。そのため、親がお金持ちであれば、子どもはさらにお金を増やし、孫の世代ではさらに大きな資産を築くケースの方が圧倒的に多いのです。


 華僑に何世代にもわたって続く財閥が多いのは、単にお金を持っているからではなく、「富を生み出す力」を教育しているからなのです。


 だからこそ、富裕層の家庭では、子どもに「お金を与えること」よりも、「稼ぐ力を育てること」を重視します。


 もちろん、最初から大きなビジネスをする必要はなく小さな経験で十分です。


 自分で考えて行動し、お金を得たという経験が、お金の感覚を育てるのです。



自分で稼ぐ力があれば、人生は何度でもやり直せる


 そしてもう一つ大切なのは、「稼ぐことは悪いことではない」という価値観です。日本では、お金の話をすることを遠慮する文化があり、稼ぐ行為にどこか後ろめたさを感じてしまう人も少なくありません。


 しかし富裕層の家庭では、お金は感謝の対価として得られるものだと教え、家族や未来の安心を守るためにお金が必要だと説きます。


 たとえば、休日に家族で仕入れた商品をネット上で売る体験をさせたり、身近な人にサービスを提供する機会を作ることがあります。


 ある家庭では、子どもが近所の人に簡単な手伝いを提案し、「掃除を手伝う」「荷物を運ぶ」といったサービスを提供していました。


 最初はうまくいかなくても、どうすれば喜ばれるかを考え、少しずつ工夫をしていくことで、報酬を得られるようになります。


 このような経験を通じて、子どもは「お金は誰かの役に立った結果として生まれる」という感覚を体験として身につけていくのです。


 そしてお金持ちはより多くの人に感謝された尊敬されるべき人だと教えるのです。


 だからこそ、子どもは稼ぐことを積極的に考えるようになるのです。


 知識ではなく「体験として学んだお金の感覚」は、一生消えることはありません。こうした体験は単にお金を稼ぐだけでなく、自力で人生を切り開く力を育てることにもつながります。


 誰かに依存するのではなく、自分の力で感謝されるという付加価値を生み出す経験を通じて、子どもは自分に自信を持つようになります。


 「稼ぐことで社会のためになれる」「自分の力で道を作れる」という幼少期の感覚が、将来の大きな財産になります。


 親が子どもに与えられる最高の教育は、お金そのものではなくお金を生み出す力です。


 自力で稼ぐ力があれば、人生で何度でもやり直すことができます。だからこそ、華僑を始めとする富裕層の家庭では、まず最初に「自力で稼ぐ力」を教えるのです。