そっちが半導体を制限するなら、こっちはレアアース供給を断つ-中国専門家
中国のニュースサイト・観察者網に15日、「そっちが半導体チップを制限するなら、こっちはレアアース供給を断つ、サプライチェーンは対等であるべき」とのコラム記事が掲載された。著者は元中国国連常駐代表団副代表、グローバル化シンクタンク(CCG)特別招聘シニア研究員の周小明(ジョウ・シャオミン)氏。
周氏は「2026年夏、米商務省産業安全保障局(BIS)が新たな規制を打ち出し、米中の人工知能(AI)をめぐる競争は新たな段階に入った。今回の米国の狙いは半導体の輸出を制限するだけでなく、計算能力を制限し、中国のAI発展を根本から遅らせることにある」と主張した。
そして、「新規制の核心は、企業の最終所在地ではなく、実質的な支配関係まで審査する『透過型規制』だ」と指摘。「中国資本の企業がタイやシンガポール、UAEなどに設立した拠点であっても、最終的な支配権が中国側にあれば、NVIDIAのBlackwellやRubin、AMDのMI350XなどのAI訓練用半導体の調達申請は原則不許可となる。これまで中国企業は海外に拠点を設けたり、海外のサーバーを借りたりして不足する計算能力を補ってきたが、このルートも狭められることになる」と説明した。
さらに、「米議会では『リモートアクセス安全保障法』の審議が進められている。同法案は1月に下院を369対22で通過し、輸出管理の対象をクラウドなどを通じた遠隔アクセスにも広げるものだ。これが成立すれば、中国企業が海外のクラウドサービスを利用して米国製AI半導体の計算能力にアクセスすることも制限される可能性がある」と懸念を示した。
周氏は、「こうした米国の措置に対し、中国は供給網の管理によって対抗することができる」と提案。具体的な策として、「半導体用多結晶シリコン、高速光モジュール、レアアース磁石材料などを対象に、輸出許可を米国によるAI半導体・計算能力規制と連動させ、制度的な対等性を形成する」と主張した。
そして、「多結晶シリコンは先端半導体の重要な原料であり、中国の生産量は世界の92.1%を占める。高速光モジュールはAIデータセンターの計算クラスターを接続する重要部品で、中国は大規模な供給が可能な拠点だ。レアアース永久磁石もAIサーバーの冷却システムや高性能モーター、精密センサーなどに不可欠で、中国は精錬・分離や永久磁石製造で主導的な地位を占めている」と強調した。
周氏は、「輸出管理は全面禁輸ではなく、最終用途を追跡できる仕組みとし、AI分野への使用を対象に審査を強化する。米国が半導体や計算能力の規制を緩和すれば、中国もAI用途の関連材料の審査を緩和し、逆に規制を強化すれば、中国も輸出枠や審査期間を調整する」と説明。「これにより、米国による一方的なAI規制を双方向のけん制に転換し、米中のAI競争において供給網を通じた対等な対応を図るのだ」と論じた。(翻訳・編集/北田)

