Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

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静岡・浜岡原発の再稼働に向けた審査で、データを意図的に改ざんしていた問題。中部電力は、14日、調査委員会が進めてきた調査結果を明らかにし250ページに及ぶ調査報告書を公表しました。

午後2時から記者会見を開いた勝野哲会長と林欣吾社長は…。

(中部電力 林 欣吾 社長)
「度重なる不適切事案の発生により、地域の皆さまやステークホル
ダーの皆さまに多大なるご心配とご迷惑をおかけするとともに、広
く社会からの不信を招いたことにあらためて深くおわび申し上げま
す…浜岡3、4号機の設置変更許可申請を自ら取り下げることを本日
の臨時取締役会で決定し、準備が整い次第、原子力規制委員会に対
して必要な手続きを行います」

浜岡原発の再稼働に必要となる原子力規制委員会への審査の申請を取り下げると発表。その上で、再稼働に向けてあらためて申請を目指すと説明しました。また、データ不正問題の責任をとるかたちで勝野会長と林社長ともに辞任することを表明しました。

(中部電力 勝野 哲 会長)
「当時の経営トップとして本事案の発生や継続を防止できなかったこと、早期に把握し是正できなかったことについて、きわめて重い責任があると認識しています」

中部電力がデータを不正に操作していたのは、原発で想定される地震の揺れのデータについて。

これは浜岡原発3・4号機の再稼働に向けた安全審査の根幹となるもので、不正は少なくとも2012年から始まっていたということです。

2018年には原子力規制委員会から地震の揺れの大きさを検討する際、地震の震源をさらに浅く設定するよう“より厳しい条件”を求められます。

中部電力によるとこの指摘の後、不正行為はエスカレートしより意図的な方法で不正を行うようになったといいます。

今回、焦点となったのは経営陣の責任について。

2026年1月、周辺自治体へ謝罪に訪れた林社長は…。

(中部電力 林 欣吾 社長)
「私が事実を知ったのは12月2日。5月にそういう事情があったのに、12月ということで半年かかっている…5月の時点で調査依頼が来ているのに、その時点で上部まで 報告がなかったのか。この辺は 今後調査の対象にして変えていきたいと思っている」

不正の事実を知ったのは「去年12月」だと述べていました。ただ、報告書では経営層の一部から圧力ともとれる発言が明らかになりました。当時、社長だった勝野会長は…。

(中部電力 勝野 哲 会長・社長当時の発言内容)
『審査スケジュールが尺取虫にように遅れる。当社の努力が足りないだけである』

原子力部門が策定したスケジュールの遅延を批判・叱責していました。報告書では勝野会長ら経営層の一部の発言がプレッシャーを与えていたと認定。「原子力部門の担当者らを不適切な行為へ駆り立てる要因になり得た」と指摘しました。

(中部電力 勝野 哲 会長)
「審査の進展に伴ってより厳しい条件での検討が求められる中、必要以上に急がせているわけではなく、遅滞している原因を聞いたうえで、より早くよりもより確実にとの思いで、目標設定、管理など情報管理を進めてきたつもりです…実務者と正面から向き合う、あるいは厳しい状況である実務者の発言に寄り添うなど…組織が一体となって課題を解決する機能を十分に発揮できなかったと反省している」

林社長も2022年の取締役意見交換会で、「議論することではなく全力で走ることが重要」などと発言していたといいます。

(中部電力 林 欣吾 社長)
「従業員との対話についても実務者の立場にたって、不適切なものも含めてちゃんと情報を引き出していたのか。指示するにあたって目標、スケジュールを言うだけでなく、どういう言い方をしたのか。プレッシャーになっていなかったかどうか。反省するところはたくさんあります」

一方、中部電力は、データを不正に操作したのは225件のうち「208件」だったことを明らかにしました。残る17件については不正かどうか判断できなかったということです。

また、報告書では、原子力規制委員会の指摘は納得できないという考えのもと、「独自の正当化理論が存在していた」として、「信念すらもって不適切な行為を実行に移していた可能性がある」と指摘。長期間、不正行為が続いた原因については、「高度の専門性により組織内部からの監視・けん制が構造的に困難であった」と結論づけました。

公表された調査報告書について、立地する御前崎市の住民は…。

(御前崎市民)
「即やめなければだめだよ…どんな大企業でも現場を知らない社長はその会社が衰退していく」

(御前崎市民)
「今回、不正だと明らかになったので、安全性を真摯に受け止めてや
ってもらいたいと思います」

一方、ここは、浜岡原発から歩いて5分ほどの場所にある民宿です。

原発が稼働していた頃は作業員の宿として満室の状態が続いていましたが、停止後、安全対策の工事が終了してからは宿泊者が激減しています。調査報告書についてオーナーの竹田さんは…。

(民宿たけゆう 竹田 哲矢さん)
「会社全体の雰囲気がそういう風潮になっていた。御前崎市民が接する社員は一生懸命、再稼働に向けて頑張っていたのに、全体としてはうまくいってなかったんだろうなと。不正は不正。再稼働を急ぐ中でこのぐらいは大丈夫、許容範囲だという雰囲気があったんだと。不正をすることは正しいことだと。再稼働のためには必要なことなんだという流れになっているのでは」

14日、原子力規制委員会に調査内容を報告した中部電力。

浜岡原発を巡っては、廃炉作業にかかる費用の不適切な請求も明らかになるなど不祥事が相次ぎ、申請を取り下げることで再稼働はさらに困難になります。

再稼働が遠のく状況に竹田さんは…。

(民宿たけゆう 竹田 哲矢さん)
「申請を取り下げるという大きな決断を下した。今後のビジョンは中電にはあると思う。それを含めて、これからどうしていくのかを御前崎市民にしっかり説明してくれる説明会を設けてほしい。また1からやり直しじゃないかな。50年前と同じ、ここ(御前崎)に原子力発電所をつくらせてくださいという気持ちをもって、説明や今後の見通しをしてほしい」

中部電力は14日の会見で、静岡市に「静岡地域本部」を設置し、現在、浜岡原発の構内にある「浜岡地域事務所」を敷地外に移転することを明らかにしました。

(中部電力 林 欣吾 社長)
「原子力発電は非常に有効な手段であり、浜岡原発の重要性は、必要性は何ら変わるものではありません…決してあきらめることなく、再申請に向けた取り組みを進めてまいります」

勝野会長の後任は当面置かず、林社長の後任として安井稔専務が就任します。

林社長は15日、静岡県と御前崎市、周辺の3つの自治体を訪れ直接説明と謝罪をした後、御前崎市の市議会に初めて出席する予定です。

(スタジオ解説)
(澤井 志帆 アナウンサー)
(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
(コメンテーター 元AKB48・タレント 高城 亜樹 氏)

(リモート出演)
(原子力規制庁 元幹部・長岡技術科学大学 山形 浩史 教授)