2028年には芦田愛菜主演の「薬屋のひとりごと」も

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攻勢をかけるアマプラ

 動画配信サービス「Prime Video」が、日本市場で大攻勢に乗り出す。

 9月3日、Prime Videoは都内で戦略発表会「Prime Video Presents 東京」を開催。今後2年間で、日本発のオリジナル作品へのコンテンツ投資を2倍以上に拡大し、ドラマや映画などの本数を大幅に増やす方針を明らかにした。そこで発表された作品のラインナップも実に豪華だ。

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 主な作品を配信時期順に並べると、11月13日に青崎有吾氏の同名小説を実写化した、森七菜(25)と蒔田彩珠(24)のダブル主演による「地雷グリコ」。

2028年には芦田愛菜主演の「薬屋のひとりごと」も

 来年2月19日からは山田裕貴(35)が主演、山田杏奈(25)がヒロインのオリジナルアクション映画「スーパーモブニンジャ」。

 来春には、人気マンガを実写化した、なにわ男子・大西流星(25)が主演する青春ドラマ「ブレス」。

 そして、最も話題になったのが、2028年に世界独占配信される実写版「薬屋のひとりごと」。人気小説を原作に、東宝とAmazon MGMスタジオが共同で製作し、主人公・猫猫役には芦田愛菜(22)を起用。美術や衣装、VFXなどにも大規模な投資が行われるという。

「Prime Videoがこのような大々的な戦略発表を行ったのは2022年3月以来。その際はドラマ・映画などの映像作品よりも、当時現役だったボクシング五輪金メダリストの村田諒太さん(40)や、今やレジェンド王者となった井上尚弥(33)のボクシング世界戦が目玉。翌年からビートたけし(79)がMCを務めていたTBS系の伝説的バラエティー番組『風雲!たけし城』をリメークして、翌年からの配信を発表。会見にたけしがサプライズで登場した。当時と今回の会見では、責任者が交代していたこともあり、戦略を大幅に見直し、満を持しての今回のラインナップ発表だった」(放送担当記者)

 大手通販サイト・Amazonの資本力をバックに持つPrime Video。2013年からオリジナルコンテンツの配信をスタートさせ、日本のオリジナルドラマは2016年4月1日に配信がスタートした「仮面ライダーアマゾンズ」が第1弾だった。

 以後、コロナ禍も含めて、毎年のように日本制作のオリジナル作品を配信し続けてきたのだが……。

配信ビジネスの可能性

「これまでPrime Videoの日本制作のオリジナル作品で大きな話題になり、映画化までされたのは、米倉涼子(51)が主演した『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』、大沢たかお(58)が主演し、プロデューサーも務めた人気コミックの実写版『沈黙の艦隊』ぐらい。その間にNetflix(ネトフリ)は、アダルトビデオ業界の裏側を描いた『全裸監督』シリーズ、不動産業界と地面師にクローズアップした『地面師たち』などがヒット。今年に入ってからも、人気占い師・細木数子さんの半生を描いた『地獄に堕ちるわよ』、名作映画をリメークした『ガス人間』、人気コミックを実写化した『九条の大罪』などが話題になっている。今回のPrime Videoの大幅な投資拡大によって、今後は日本発の大型コンテンツをめぐるNetflixとの競争が一気に激しくなるのでは」(同)

 実際、Prime Videoの新たな配信作品への起用が発表された前述の森、山田裕貴と杏奈、大西、芦田はいずれも各テレビ局の連続ドラマや映画で主演クラスを務める俳優たちだ。

 また、人気コミックを映画化した「ずっと独身でいるつもり?」(2021年)の第2弾として、もはやアナウンサーの枠を超えて活躍する森香澄(31)を主演に迎えた新作映画「てんてん ずっと独身でいるつもり?」を10月23日から独占配信することが10日に発表された。

「黎明期の動画配信サービスはテレビ局が制作した放送後のドラマや、公開後の映画を配信するケースが中心でした。しかし、コロナ禍に配信ビジネスが活況を呈し始めたことで、現在は完全に様相が変わっています。配信会社自身が巨額の制作費を投じ、テレビではなかなか実現できないスケールの作品を作り、人気俳優たちを主演や主要キャストとして囲い込むのです。特に顕著なのがネトフリで、リリー・フランキーさん(62)、斎藤工さん(45)、さらには薬物事件を起こした後のピエール瀧さん(59)もすっかり常連。さすがに、この3人はネトフリ色が濃いのでPrime Videoではキャスティングしないでしょう。今後、この流れはさらに加速するとみられ、ネトフリもPrime Videoも作品製作のペースを加速させそうです」(民放テレビ局関係者)

 その流れによって巻き起こりそうなのが、俳優たちの争奪戦だ。作品製作にあたり、必要になるのは主演級だけではない。20代、30代の若手俳優から、作品に厚みを持たせるベテランまで、キャスティングの対象は広がる。

「俳優側にとっても、配信作品への出演には大きなメリットがあります。まず、ギャラがテレビ各局よりも高い。さらに、日本国内だけでなく、海外の視聴者に作品を届けられることもあるので、海外進出を目指している俳優にとっては大きなチャンスなのです」(同前)

逆境に立つテレビ局

 逆に、この状況に対して今以上に危機感を募らせることになりそうなのが、民放のテレビ各局だ。テレビ局の場合、スポンサーの意向、放送枠、視聴率、編成など、作品作りにはさまざまな制約があるが、

「もちろん、テレビドラマには依然として大きな宣伝力があり、地上波で主演することの価値も失われてはいないものの、もはや俳優たちにとって『テレビで主演する』ことだけがキャリアの最終目標ではなくなってしまいました」(前出・記者)

 その中で例外なのが、視聴者の受信料収入が制作費に回っているNHKだという。以前よりも世帯視聴率がダウンしているとはいえ、

「影響力や話題性の観点から、朝の連続テレビ小説のヒロインと大河ドラマの主演は、俳優たちにとって大きな目標のままです。今後、特にこれまで映画を主戦場にしてきた俳優たちは、映画や配信を優先し、民放ドラマへの出演は作品を慎重に選ぶ傾向になる可能性が高くなるのではないでしょうか」(同)

デイリー新潮編集部