【藤 和彦】劣化・故障の恐れのある車が260万台に…世界を席巻したはずの中国製EVに待ち受ける深刻すぎる問題
前編記事『強まる米の圧力、ベネズエラも中国離れ、そしてネパール大災害も…中国を苦しめる「四方八方の逆風」の正体』で見てきたように、中国は対外面で逆風にさらされている。その足元では、国内経済の変調も深まっている。
中国製造業の苦境
中国国内に目を転じると、製造業の活動は相変わらず芳しくない。
8月31日に発表された8月の製造業購買担当者指数(PMI)は49.8だった。7月の49.2から上昇したものの、2カ月連続で好不況の境目である50を下回った。
市場では景気対策を求める声が出ているが、中国政府はより大胆な対策を早急に講じる姿勢を依然として示していない。
結果は株価急落
中国政府はここに来て不動産市場のテコ入れ策を講じようとしている。
中国人民銀行(中央銀行)と国家金融監督管理総局は8月28日、住宅購入者向けの住宅ローンは住宅プロジェクト完成後に実行されるとする新指針を発表した。中国の不動産開発企業が長年、住宅完成前に販売する方式を採用し、売却代金を開発資金に充ててきた。
だが、大手、中国恒大集団や碧桂園などをはじめ、不動産バブル崩壊以降、資金繰りが悪化した開発企業の工事停止が相次いだため、購入者の抗議や市場心理の悪化を招いていた。当局は不動産開発企業の資金調達モデルを変更することで消費者心理の回復を狙ったわけだが、思惑は外れてしまった。
ロイターは8月31日、「中国当局が不動産業界を対象にした規制改革を発表したことを受け、開発企業の株価が大幅に下落した」と報じた。「資金繰りに窮する開発企業が大量倒産する」との憶測が広まったことが原因だ。
バッテリー劣化の恐れも
飛ぶ鳥を落とす勢いの新エネルギー車(NEV)分野にも深刻な問題が浮上している。
中国乗用車協会や中国公安部の試算によれば、今年末までに車齢が8年を超えるNEVが全国で260万台に達する。これに伴い、バッテリーの劣化や故障による修理・交換などの問題が顕在化することが予想されるが、自動車業界の対応がほとんどなされていないのが実情だ。
この問題に適切に対処しなければ、世界を席巻する中国製NEVの評価は急落してしまうかもしれない。
日本にとって厄介な存在と化した中国だが、内外で問題が山積しているのは実態だ。彼らの挑発に乗ることなく、冷静な対応に終始すべきだ。
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