【RE/100 1/100 デナン・ゾン】 発売元:BANDAI SPIRITS 発売日:2026年8月20日(1次予約分) 価格:3,300円 ジャンル:プラモデル サイズ:全高約150mm プレミアムバンダイ販売商品

 BANDAI SPIRITSのガンプラ「RE/100(リボーンワンハンドレッド)」シリーズにて、『機動戦士ガンダムF91』に登場するMS「デナン・ゾン」が発売された。プレミアムバンダイのホビーオンラインショップ限定アイテムで、1次予約分は8月20日に発送されている。

「RE/100 1/100 デナン・ゾン」。8月20日発送(1次予約分)。価格は3,300円。プレミアムバンダイ販売商品

 「MG」シリーズと同じ1/100スケールのボリューム感を維持しつつ、内部フレームを廃した設計とすることで、組み立てやすさを実現したRE/100シリーズ。『機動戦士ガンダムF91』の登場MSでは、これまでも「ビギナ・ギナ」や「デナン・ゲー」が発売され好評を得ている。

「RE/100 1/100 ビギナ・ギナ」。2018年6月23日発売。その後いくつかのバリエーションキットも展開された

「RE/100 1/100 デナン・ゲー」。2025年12月19日発送。ちょうど1年前に発売された、プレミアムバンダイ限定アイテム

 本稿でレビューする「RE/100 1/100 デナン・ゾン」は、前述の2機と同じくクロスボーン・バンガードの機体で、1991年に発売された「1/100 デナンゾン」以来、実に35年ぶりのプラモデル化となる。旧キットも当時としては高い完成度を誇っていたが、このRE/100版はBANDAI SPIRITS最新の設計技術により、優れた可動域と劇中に忠実なプロポーションを実現している。

フロンティアIVを襲撃したクロスボーン・バンガードの主力量産機

 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の第二次ネオ・ジオン抗争から30年後となる、宇宙世紀0123年を舞台とした劇場用映画『機動戦士ガンダムF91』。その冒頭で、スペースコロニー「フロンティアIV」を強襲するクロスボーン・バンガードの汎用MSとして登場するのがこのデナン・ゾンだ。

ビギナ・ギナやデナン・ゲーと同スケールのRE/100シリーズでラインナップされたデナン・ゾン

 デナン・ゾンは、ブッホ・エアロダイナミクス社が同社の作業用MS「デッサ・タイプ」をベースに開発した機体で、クロスボーン・バンガードでは最初期より配備されている。頭頂高14m、本体重量7.9tと小型で、バイザー風のデュアルセンサーを装備。ヘルメットを思わせる頭部形状は、デッサ・タイプから受け継がれるものだ。

 2連装マシンガンを内蔵した物理兵器「ショット・ランサー」、腕部の「デュアル・ビーム・ガン」と「ビーム・シールド」、「ビーム・サーベル」といった、白兵戦を想定した武装を多く備えている。ビーム・シールドはこのデナン・ゾンで初めて実用化され、以降に開発される機体の標準武装として急速に普及・発展していく。

「RE/100 1/100 デナン・ゾン」のパッケージ。限定アイテムならではの単色のパッケージ仕様で、モノトーンは機体色のイメージだろうか

 キットは小型MSの設定に合わせ、1/100スケールながら完成時の全高は約150mm(頭頂高145mm)と、かなりコンパクトなサイズ感だ。RE/100シリーズらしく、ランナーは全10枚とパーツ数も少なめに抑えられている。ポリキャップは使用していない。

Aパーツ

B1パーツ、B2パーツ

C1パーツ、C2パーツ

D1パーツ、D2パーツ

E1パーツ、Fパーツ、SB-13パーツ

マーキングシール、シール

パーツは少なめかつ大きめの仕様。作りやすさが際立つ設計

 組み立ては胴体からスタート。フレームがないキットとはいえ、引き出し式の肩関節や二重関節が仕込まれた腹部など、可動における設計は凝っている。パイプや胸の排気口などは別パーツ化されていて、1/100スケールならではの凝ったディテールも見られる。

胴体のパーツ群

完成した胴体。腕のほか、下側に見える腹部ジョイントも可動する

 バックパックにも可動ギミックがあり、上側のサブ・センサーと下側のバーニアがそれぞれスイング可動する仕組み。サブ・センサーにはクリアパーツが使われているが、付属のシールを貼るとそれが隠れてしまう。どちらで仕上げるかは好みで選ぼう。

バックパックのパーツ群

完成したバックパック。下部ノズルとサブ・センサーは可動する

胴体にバックパックを取り付け、上面のパイプを接続する。作例ではサブ・センサーにはシールを貼っている

 デナン・ゾンの象徴とも言える頭部は、ヘルメット状の装甲部分を一体成形パーツで再現。ゴーグルのようなデュアルセンサーはクリアパーツ内部の専用パーツにメタリック調のシールを貼ることで、光を反射して輝く仕組みだ。さらにこのシールはパーツの裏表に貼る設計になっている。好みでパーツの裏表を差し替えることで、センサー使用時の輝く様子を選択可能だ。

 首関節は頭側にボールジョイント、胴体側にスイング式のジョイントを備え、広い可動範囲を確保している。腹部やバックパックの可動も合わせることで、劇中で見せた飛行時の身体を反らすポーズもしっかり決まる。

頭部のパーツ群

センサー内部パーツの表と裏にシールを貼る

内部パーツをひっくり返すことで、センサー使用時のバイザーを再現

完成した頭部。今回はセンサー非使用時の状態を選択している

 腕は肩や肘などが共通パーツの設計。左前腕にはビーム・シールドがあり、後述するパーツの差し替えによって展開状態を再現できる。シールド基部はボールジョイント接続で、シールドを少し引き出すことで角度をつけることが可能だ。

両腕のパーツ群

完成した両腕。左前腕にはビーム・シールドを備える

 スパイクが付いた大型のショルダーアーマーは、シリーズ第1弾の「RE/100 1/100 イフリート改」などと同様、中央に合わせ目が出ない一体成形のパーツを採用。アーマーの内側のパーツは、組み込まれた関節によってスイング可動する。

ショルダーアーマーのパーツ群

完成したショルダーアーマー

ショルダーアーマーを腕に取り付けた状態

 脚は膝が二重関節になっている。足首は脛側の基部がボールジョイントで、先端はスイング関節だ。さらに股関節にもロール軸が設けられており、可動範囲はかなり広い。足首や膝周りには異なる成形色のパーツを使用することで、ディテールが際立つなど、密度感のある見た目にも設計のこだわりが感じられる。

両脚のパーツ群

完成した両脚

 腰部は脚を接続するための関節軸が後方に約45度スイング可動する設計。前側の装甲パーツは左右が繋がった1パーツ構成だが、中央でカットすれば左右独立して可動できるようになっている。

腰部のパーツ群

左下のパーツが腰部前側の装甲。左右を個別に動かしたいときは中央で切り離す

完成した腰部。左右のアーマーはボールジョイントで自在に動く

 別パーツの武装としてショット・ランサーとビーム・サーベル、そして展開状態再現用のビーム・シールドのエフェクトが用意されている。ショット・ランサーはシンプルな形状ながらギミックが豊富で、柄の伸縮による打突状態や、槍先の取り外しによる射出状態をそれぞれ再現可能だ。装備時用の右手首が付属していて、フォアグリップに左手を添えることで両手持ちにも対応する。

ショット・ランサー、ビーム・サーベル、ビーム・シールド(展開状態)のパーツ群

完成したショット・ランサー。装備時は右の専用持ち手を使用する

 ビーム・サーベルのグリップには固定用のピンが設けられている。腰部後方の装甲内に収納できるほか、持ち手のダボ穴にはめ込むことで、しっかりと固定できる。

両手にはビーム・サーベル用のダボ穴があり、ピンはめ込むことで保持される

腰装甲の裏にも収納可能。撮影用にパーツを外しているが、外さなくても取り付けは可能

 ビーム・シールドを展開状態にするには、シールドを一度分解する必要がある。パーツに傷を付けないよう、別売りのパーツセパレーターなどを使うと確実だ。ビームエフェクトは部分発光を再現するために4分割されていて、全てを取り付けると円形になる。なおエフェクト展開状態のシールドは肩アーマーと干渉することがあるので、ポーズをつける際は双方のポジションを調整しよう。

ビーム・シールドを分解する。別売りのパーツセパレーターがあると作業が楽になる

シールド内部のパーツ4つを取り外し、エフェクトパーツを取り付ける

シールドのビームエフェクトを展開した状態

1/100スケールで約150mmのコンパクトなMSが完成。ポージングも自在だ

 完成したデナン・ゾンは、機体の特徴的なシルエットが見事に再現されている。頭部をはじめとする各部ディテールもほぼ設定通りに落とし込まれていて、成形色による細かな色分けも完璧。スミ入れを施すだけでも満足いく仕上がりとなるはず。なおマーキングシールも付属するが、今回は撮影用のポージングで剥がれてしまう恐れがあったため、作例では胸のクロスボーン・バンガードのマークのみ貼っている。

上半身と下半身は、ストッパー用の突起パーツの都合上、この角度からはめ込む。取り外す際も必ずこの向きにしてから引き抜こう

完成したRE/100 デナン・ゾン。プロポーションのバランスはバツグンだ

同シリーズの「RE/100 1/100 イフリート改」(右)との比較。『機動戦士ガンダムF91』の宇宙世紀0123年にはモビルスーツの小型化が進んでいるので、同じ1/100スケールでもここまでサイズが違う

フル装備状態。成形色による各所の色分けにより、ミリタリー調の雰囲気が際立つ

バックショット。各所のバーニアなど細部ディテールが目立っている

デュアルセンサーの状態を切り替えるときは、まずマスクパーツを取り外す

センサー内部のパーツを裏返して再度はめ込む

センサー発光状態の姿

ボリューミーなショルダーアーマーも大きな魅力。中央にある関節で角度を変えることにより、シルエットが変わる

肩周りの複数の関節により、腕もかなり自由に動きをつけられる

首の二重関節により、上を見上げる動きも可能

胸部と腹部の関節と、バックパックのノズルの可動を組み合わせることで、身体を反らしたポーズも決まる

股関節は軸が後方へと引き出せる。写真の「アクションベース8[クリアカラー]」は付属のジョイントパーツを使用して接続する

身体を反らせることで、劇中さながらの飛行ポーズが取れる。写真は身体の可動ラインがわかりやすいよう、左腕を外している

 パーツ数が抑えられているうえ、組み付け精度も高いので、ポージング中にパーツが外れてしまうストレスは皆無だった。組み立て時にこだわりが見えた各部の可動ギミックを上手く活かすことで、劇中の空中戦アクションも自在に再現できる。そのためには別売りのアクションベースを用意したいところ。キット自体に一定の重量があるため、大型キットに対応した「アクションベース8[クリアカラー]」がオススメだ。

ショット・ランサーは軸を押し出すことで打突状態を再現できる

槍の先端は取り外すことができ、射出した状態も楽しめる。「アクションベース6[クリアカラー]」のジョイントに直接接続してディスプレイが可能だ

ビーム・シールドを展開した状態。展開時は肩アーマーの位置を調整しよう

劇中で見せた部分展開状態は、エフェクトの一部を取り外す

パーツが外れるストレスはほとんどなく、劇中のようなポージングを楽しめる。

 HGやRGといった主力ブランドとは一味違う、組み立てやすさとボリューム、優れた可動を兼ね備えたRE/100シリーズ。筆者自身も好きなシリーズで、今回のデナン・ゾンや作例比較に使用したイフリート改も個人で購入したものだ。

 特にこのデナン・ゾンは小型MSということもあり、「ガンダム」シリーズでは一般的な18m級機体と比べると一回り小さいが、それでも1/144スケール以上の満足感と存在感は味わえるはず。動かして楽しむにも絶妙なサイズ感と言えるかもしれない。手元にあると、所有していない同シリーズの「デナン・ゲー」や「ビギナ・ギナ」も横に並べたくなり、現在は再生産の機会を心待ちにしているところだ。

 ほかのガンプラシリーズと比べると、新商品の発売や再販ペースはやや控えめだが、今後のRE/100シリーズの動きからも目が離せない。

(C)サンライズ