宇宙最古のシグナルを捕捉、「中国天眼」が描く最大規模の宇宙気体地図
中国科学院国家天文台の姜鵬研究員チームが率いるFAST中性水素全天探査プロジェクトでは、第2期データが「中国科学、力学、天文学」誌の表紙論文に再び選ばれました。同探査ではわずか2年間の観測期間内に、銀河系外の中性水素源が4万から15万6000に急増し、それまで7600平方度だった観測天区も、天のほぼ半分を占める1万9500平方度にまで激増しました。FASTは2年をかけて、米国のアレシボ天文台のアルファルファ(ALFALFA)が20年近く保持してきた記録を2度塗り替え、最終的に探査源の数を一気に5倍の規模に押し上げました。このことにより、FASTは「世界記録保持者」から「中核的参考母集団」への重要な飛躍を実現しました。
中性水素は宇宙で最も古く、最も根源的な物質であり、恒星の「原材料」であり、銀河の「建築材料」であり、さらには宇宙が暗黒から光明へと向かうことを記録する「歴史資料」です。中性水素が放出する波長21センチの電磁波は透過力が極めて強く、幾重にも重なる星間塵による遮断を透過し、宇宙の深淵にある最も原始的な気体の情報を地球に届けます。中国の天眼FASTは、この宇宙の「シグナル」をキャッチする「最強の切り札」です。
中性水素の探査の第1期(DR1)から第2期(DR2)にかけて、FASTのこの分野でのデータ産出において重要な進展を遂げました。DR1の公表後には、10を超える国際チームが関心を示し、共同研究を打診しました。そして今回のDR2のデータでは検出源の一覧が全世界に向けて一般公開され、次世代電波望遠鏡のSKA時代に向けた銀河進化研究のきわめて重要なデータの基盤が構築されました。(提供/CGTN Japanese)

