自宅の駐車場で車をぶつけ、修理代「3万円」に…。妻は「せっかく自動車保険に入っているから使おう」と言いますが、少額でも保険を使ったほうが得なのでしょうか?
自宅の駐車場で車をぶつけたら保険は使える? 補償範囲を確認
自宅の駐車場で車をぶつけてしまったとき、まず知っておくべきなのは「自動車保険の補償範囲」です。自動車保険には相手の財物を補償する「対物賠償責任保険」が含まれていますが、この補償はあくまで「他人のモノ」を壊した際に適用されるものです。
そのため原則として、自宅や車庫、塀といった自分自身(および家族)の所有物を壊してしまった場合、対物賠償保険からは修理費用は支払われません。
ただし、ごく一部の保険会社では自宅や車庫の修理費用を補償する特別な特約が用意されている場合もあります。また、車の衝突による自宅の損害については、自動車保険の対物賠償ではなく、加入している「火災保険」の補償項目(建物外部からの物体の落下・飛来・衝突など)で修理費用をカバーできるケースがあります。
一方で、破損した自分自身の車の修理費用に関しては、自動車保険の「車両保険」に加入していれば補償を受けられる可能性があります。
ただし、車両保険には補償範囲の広い「一般型」と、補償範囲を限定した「エコノミー型」があり、 エコノミー型では、電柱や建物などに衝突した単独事故(自損事故)が補償の対象とならない場合があるため、契約している車両保険の補償範囲を確認することが重要です。
修理代に車両保険を使うと等級が下がり、翌年以降の保険料に影響することも
修理費用3万円を車両保険でカバーしようとする場合、確認しておきたいポイントのひとつが、保険を利用したことによる等級の変化と、その後の保険料への影響です。
自宅の駐車場や壁に車をぶつける単独事故で車両保険を使用すると、原則として翌年度の保険等級が下がります。さらに、単に等級が下がるだけでなく、翌年度から3年間は「事故有」という扱いの割引率が適用されるため、保険料の負担が大きくなる可能性があります。
例えば、18等級で無事故だった人が3等級ダウン事故を起こして車両保険を使うと、翌年は15等級の「事故有」となります。等級が下がることに加え、割引率も20~30ポイント程度縮小するため、翌年以降の保険料負担が増えることがあります。
このような保険料の値上がり額は3年間続くため、トータルで加算される保険料の増額分は、数万円から十数万円に達することも珍しくありません。3万円の修理費用に対して保険を使った結果、その後3年間の保険料の増加額が3万円を上回る場合は、保険を使わずに修理費用を自己負担したほうが、結果的に支出を抑えられることになります。
車両保険の「免責金額」とは? 修理費3万円では保険金が支払われない場合も
車両保険を使用する際にもうひとつ重要な確認ポイントとなるのが、契約時に設定している「免責金額(自己負担金)」の存在です。
免責金額とは、事故で車を修理する際に、加入者が自分で負担するとあらかじめ取り決めた金額のことです。免責金額を高く設定するほど毎月の保険料は安くなりますが、いざ修理が必要になったときにはその金額分が保険金から差し引かれます。
例えば、修理費が40万円で免責金額が5万円の場合、契約内容などの条件を満たせば、差額の35万円が保険金として支払われます。一方、修理費用が3万円の場合は免責金額の5万円を下回るため、車両保険から修理費用に対する保険金は支払われません。
つまり、保険を使おうと申請したとしても、修理費用が免責金額を下回る場合は保険金は支払われず、全額を自費で支払うことになります。
免責金額が「0円」の契約であっても、車両保険を使用すれば事故として扱われ、前述の通り、事故の内容によっては等級が下がり、翌年以降の保険料が上がります。修理費用が3万円程度であれば、保険を使うことで増える保険料が修理費用を上回ることも考えられるため、自己負担で修理する場合と比較して判断することが重要です。
まとめ
自宅の駐車場で車をぶつけ、修理費用が3万円となった今回のケースでは、保険を使った場合の翌年以降の保険料の増加額によっては、車両保険を使わずに自己負担で修理したほうが、結果的に支出を抑えられる場合があります。
保険を利用するか迷ったときは、保険会社に相談し、保険を使った場合と使わなかった場合で、翌年以降の保険料がどの程度変わるのかを確認するとよいでしょう。そのうえで、修理費用と今後の保険料を比較し、どちらの負担が少ないかを判断することがポイントです。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

