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人間とロボットを組み合わせた検査体制

ショールームに入ったとき、クルマがどのように組み立てられているかを真っ先に考える人は少ないかもしれない。しかし、後になって不具合が発生した際にはきっと頭をよぎるだろう。

【画像】人の手で仕上げられるポルシェ車【ライプツィヒ工場とマカン・エレクトリックを詳しく見る】 全30枚

ロボットは1970年代初頭から生産現場で活用されてきた。1979年には英国の広告代理店コレット・ディケンソン・ピアースが、フィアット・ストラーダのテレビCMで「Handbuilt by Robots(ロボットによる手作業)」というキャッチコピーを掲げ、注目を集めたことがある。


ポルシェのライプツィヒ工場で組み立てられるリアアクスル    ポルシェ

おそらくフィアットのCMとは無関係だろうが、ポルシェもマカンとパナメーラを生産するライプツィヒ工場で同様のコンセプトを採用している。この工場では、リアアクスルアセンブリの検査にロボットを用いながら、人間の手による仕上げを行っているのだ。

リアアクスルは構造が複雑であり、その複雑さは、前輪駆動のような「パッシブ」方式か、後輪駆動や四輪駆動のような「ライブ」方式かによって異なる。EVでは、リアに搭載された駆動モーターや関連する電子機器により、さらに細部が複雑になっている。

目立たない部品ではあるが、リアアクスルは走行性能や乗り心地に重要な役割を果たす精密部品だ。ポルシェによれば、リアアクスルは同社製品の中でも最も複雑なアセンブリの1つであり、組み立て完了後は車両への搭載前に徹底的な検査が行われるという。

ポルシェはこの作業のために、人間の専門知識とロボットの支援を組み合わせた「自動最終検査」なるシステムを開発した。

画像データは3年間保存 わずかな異音は耳で拾う

ロボットは反復的な検査作業を担当し、アクスルアセンブリ全体をスキャンしてコネクターを識別し、距離を測定し、情報に基づいて部品が正しく取り付けられているかを確認する。各検査ポイントは撮影・分析され、画像データは3年間保存される。そのため、万が一不具合が生じた場合でも、生産時のアクスルの状態を確認することができるのだ。

新車生産時のこうした検証作業は、クルマの信頼性に直結する重要な品質管理プロセスである。しかし、ほとんどの場合、こうした検査がどのように行われているかは購入者には見えない。


ポルシェのライプツィヒ工場で組み立てられるリアアクスル    ポルシェ

ポルシェによると、このシステムは量産段階において開発され、各検査ポイントは不具合を確実に修正し、誤検知の数を減らすようになっているという。画像処理システムが誤ってエラーを検出した場合、再発を防ぐためにシステムは微調整される。

AIの台頭にもかかわらず、ポルシェはこの役割において依然として人間が不可欠だと考えている。人間の技術者はロボットと連携して作業を行い、ポルシェによれば「経験と人間の感性が求められる」業務を担当しているとのこと。すべてを目視で確認できるわけではなく、例えば、ロボットシステムではブレーキディスクのこすれるような異音を検知することはできない。

このように、自動車生産の大部分は自動化されているとはいえ、新車には依然として昔ながらの「スパナ」での点検でしか確認できない部分がある。これはある意味、安心感につながることかもしれない。