投資歴19年、フルレバレッジ投資歴は約17年。Xで決算やIRの情報を発信している個人投資家のキオ君氏は、長年にわたって大きなリスクを取りながら株式投資を続けてきた。

 バイオベンチャーへの投資で大きな利益を得たこともあれば、リーマンショックをはじめとする暴落で大幅に資産を減らしたこともある。大きく勝つ年と大きく負ける年を繰り返し、長く投資を続けても資産は思うようには増えなかった。

 それでも相場から離れず、ハイレバレッジで何度も大きな損失を経験しながら投資を続けてきた。2026年にはキオクシアをはじめとした半導体銘柄への投資で大きく利益を伸ばし、運用資産は一時年初比20倍まで増加。その後、キオクシアの株価が高値から一時3分の1近くまで下落した局面では大きく含み益を減らしたが、その後持ち直し、現在は年初比10倍程度まで戻している。

 1年から長くて2年ほど保有する中長期投資を中心に、何を見て銘柄を選び、どこで大きなリスクを取るのか。第1回では、キオ君氏のこれまでの投資と「大衆と逆を行く」という考え方について聞いた。


投資歴19年、フルレバ歴17年。それでもずっとトータルマイナスだった


 私が投資を始めたのは社会人になってすぐで、投資歴は19年くらいになります。


投資を始めて2年ほどしてから信用取引を使うようになりました。もともとリスクを取って大きなリターンを狙う投資が好きだったので、信用取引ではかなり資金を入れてきました。フルレバレッジ投資している期間だけでも17年くらいになります。


 大きく勝つ年もあれば、大きく負ける年もありました。リーマンショックも経験しましたし、その後も何度も大暴落を経験しています。


 資産を大きく減らす時は、だいたい決まって「○○ショック」と呼ばれるような相場全体の大暴落でした。大きく利益を出しても、その後の暴落でかなり減らすことを何度も繰り返してきたので、投資歴の長さほど資産は増えていませんでした。


 ただ、17年近くハイレバで死にそうになりながら相場を渡り歩いてきた経験は、今の投資判断にかなり生きていると思っています。自分のお金を大きく張って何度も失敗したことで、どの程度のリスクなら取れるのか、どういう局面が本当に危ないのか、どこなら大きく張ってもいいのかを実体験として覚えてきました。

「大化け株」を追い続けて勝てなかった


 これまで私は、当時のマザーズに上場していたバイオベンチャーや赤字企業にもかなり投資してきました。


 時価総額が小さい会社は、新薬開発や新規事業など大きな材料が出れば株価が何倍にもなることがあります。もともと大きな値幅を狙う投資が好きだったので、そうした大化け株をかなり追いかけていました。


 実際、バイオベンチャーへの投資で多大な利益を得たこともあります。うまくいった銘柄では短期間で5倍に資産を増やせました。


 ただ、資産を大きく減らす時は、だいたい決まって「○○ショック」と言われる大暴落でした。個別銘柄でうまく利益を出せても、フルレバに近い状態で相場全体の急落を受けるとダメージも大きくなります。


 それでもハイレバで死にそうになりながら相場を渡り歩いてきたからこそ、今の投資スキルや判断が形成されてきたと思っています。大きく張れば判断を間違えた時の損失も大きいので、生半可な気持ちでは相場を見られません。何度も痛い目に遭う中で、相場が過熱している時の怖さや、逆に市場が悲観しすぎている時にどこまでリスクを取れるのかを覚えていきました。

キオクシアに注目した意外なきっかけ


 キオクシアを本格的に調べるきっかけになったのは、cisさんがXでキオクシアについて発信していたことです。


 cisさんが推奨している銘柄だったので、「これはちゃんと調べてみよう」と思って、決算資料や業界資料をかなり読み込みました。その時のcisさんの発信では、キオクシアは今後伸びる一方で、その成長は目先の決算にはまだ十分反映されていないという話も出ていました。


 もともと私は半導体にものすごく詳しかったわけではありませんが、そこからキオクシアだけでなく、NANDフラッシュやAI向けのメモリ需要までかなり調べました。資料を見れば見るほど、「これはとんでもない企業になる可能性がある」と思うようになりました。


 特に大きかったのは、AIの普及によってこれから必要になるメモリの量です。現在の市場規模をそのまま延長して考えるのではなく、今はまだない需要が次々と生まれて、メモリ市場そのものが大きくなっていくと考えました。


 実際に決算が発表されると内容は悪く、キオクシアの株価はストップ安になりました。


 私はすでに決算前からキオクシアやメモリ市場をかなり調べていたので、目先の決算が悪かったことと、1年後、2年後に会社がどうなっているかは分けて考えていました。むしろ、自分が考えていた将来像に対して株価が一気に安くなったことで、買う機会だと判断しました。