治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が自身のYouTubeチャンネルで「【神戸で連続発砲】79歳の元組長、哀しき執念。ヒットマンの超高齢化。元警視庁刑事が解説」を公開した。動画では、神戸市で発生した79歳の元暴力団組長による連続発砲事件の背景と、高齢の元組員が再び凶行に及んだ理由について独自の推察を展開している。

事件は9月30日、神戸市内で男性2人が銃撃され死傷したもの。逮捕されたのは79歳の亀谷直人容疑者だった。小比類巻氏は同容疑者が元暴力団組長であり、過去にも拳銃を使った殺人事件で20年の服役経験があることに言及し、「長期間服役した人物が、今回79歳になった現在もなお再び拳銃を手にして事件を起こした」とその異質さに注目した。

事件の背景として、以前から被害者と容疑者の間に土地売買を巡る接点があったと指摘。事件当日は3人で車に同乗し、車内で4発、その後の移動先でさらに複数発が発砲されたと推測される。「単純に足せば7発拳銃を発砲した可能性が出てくる」と述べ、回転式ではなく装弾数の多い自動式拳銃が使用された可能性があると考察した。

さらに、小比類巻氏が最も強い関心を寄せたのは、実行犯が79歳という点である。「普通であれば20年も刑務所に入ればもう二度と戻りたくないと思う」としつつも、裏社会で長く生きた高齢者が一般社会で生活することの難しさを挙げた。刑務所には食事や寝る場所があり、医療も受けられるとし、「これがある意味、元暴力団だった高齢者の人生設計と言えるのではないか」と語り、刑務所に戻ることで老後の衣食住を確保する目的があったのではないかと推測した。

動画の終盤で小比類巻氏は、今回の事件を「哀しきヒットマン」と表現。「79歳になって再び重大事件を起こせば、この先また長期間刑務所で過ごす事になるのは当然分かりますよね」と語り、高齢の元暴力団員が「日本国民の税金で老後を過ごしていただくことになる」という構図に対して、社会の歪みと暗部を浮き彫りにして動画を締めくくった。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993~2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。