ロシアから帰還した第528工兵連隊の将兵と金正恩氏(2025年12月13日付朝鮮中央通信)

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ロシアに派兵され、戦死した北朝鮮兵士を巡り、北朝鮮国内で「死んだ者だけがかわいそうだ」と同情する声が広がっているという。北朝鮮当局は遺族を「英雄の家族」として住宅や食料などを優先的に与えているが、住民の間では、こうした優遇を羨むよりも、異国で命を落とした兵士と家族を哀れむ空気が強いとされる。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が北朝鮮内部の消息筋の話として伝えた。

平安北道の消息筋によると、当局はロシア派兵で戦死した兵士の遺族に住宅を提供するほか、食料や衣類など基本的な生活物資を支給している。何らかの法的問題に巻き込まれた場合にも軽く処理されるなど、社会的な優遇措置も講じられているという。

しかし、こうした待遇を見る住民の反応は当局の期待とは異なるようだ。消息筋は「遺族が受ける恩恵は生き残った人々のものにすぎない」とし、「結局、外国で命を失った本人だけがかわいそうなのではないか」とする声が出ていると伝えた。

遺族を羨む住民もほとんどいないという。「愛する家族が命を差し出した代価として受ける恩恵より、貧しくても家族と一緒に生きることの方が幸せだと考えられている」と消息筋は話した。

(参考記事:「ロシアが助けてくれる」打ち砕かれた北朝鮮の希望…プーチンの裏切で「経済危機」も

平壌の別の消息筋も、当局が戦死者の遺族を「英雄の家族」として宣伝する一方、住民の間では戦死した兵士への同情が根強いと証言した。

特に親たちにとって、住宅や食料などの特別待遇が息子を失った悲しみを埋め合わせるものにはなっていないという。消息筋は「元気だった子供を失った親は、大声で泣くことさえできない立場に置かれている」とし、「子供や家族の命の代価として家や食料を受け取っても、遺族はそれを少しもありがたいとは思っていない」と語った。

北朝鮮当局はロシア派兵の戦死者を国家のために命を捧げた英雄として顕彰し、遺族への優遇によってその犠牲を正当化しようとしている。だが、住民の間に広がっているのは、物質的な補償への羨望よりも「生きて帰ってくることに勝るものはない」という素朴な感情だという。